日本国内であればトイレに困ることは少ないでしょう。
なぜならコンビニで借りることができるからです。
いざという時に頼りになる存在、それがコンビニ。
convenience(便利)の名に恥じない、存在。
今の日本を支える重要な存在です。
そんなコンビニですが、最近ではトイレの貸し出し禁止が増えてきています。
コロナによる影響もそうですが、マナーの悪い客が利用することで清掃作業が大変になるなど、働く側からすると負担になることばかりです。
トイレを借りたら、何か商品を一つでも購入すれば良いお客さんと言えるでしょう。
しかし最近ではトイレだけをかりてそそくさと退散するお客さんも珍しくはないようです。
そんなコンビニですが、最近では自治体と連携し、トイレの公共化を進めているようです。
客以外でも手軽に利用できるようになれば地域の人にとっては大変便利になることでしょう。
しかしそれは利用者側からの視点です。
やはり苦労するのはコンビニ側。
コンビニのトイレを公共化することでどのような影響が出るのか、調査しました。
コンビニトイレの実態
「コンビニでトイレを借りたら何か買うこと」。
こんなマナーを聞いたことはありませんか。
コンビニをはじめ、飲食店やスーパーといったお店でトイレを無料開放しているのはお客さんのためです。
当然コンビニでもお客さんの利用を想定しています。
元々は集約目的、サービスの一環として店側はトイレを提供しています。
トイレだけ借りて、何も買わずにコンビニを出た場合、店側からすると面白くはありません。
我々日本人は”トイレは無料のサービス”が当たり前ととられています。
しかし海外では異なります。
チップを支払う有料トイレは珍しくありません。
トイレを維持するのにも当然労力とお金がかかってきます。
綺麗で、清潔なトイレをどこでも利用できる我々日本人は気づかないだけで贅沢な立場なのです。
昨今はそれを勘違いしてなのか、トイレを提供する側の労力を気にも留めない人が多々見られます。
商品を買わない場合、せめて店員に一言声をかけるのが礼儀ではないでしょうか。
トイレのドアにもそのような注意書きがあるところも多いでしょう。
それをしり目にそそくさと当たり前のようにトイレに入る人が多いこと。
それだけであればまだ救いはあります。
酷い場合には、便器を汚す、水を出しっぱなしにする。
挙句の果てにはトイレットペーパーを盗むような輩もいるようです。
こうした”被害”に加え、万引きといった犯罪の温床にもなることからよりお店への直接的な被害にも繋がります。
さらに飲み屋周辺の立地や人が集まるイベント会場の近くにコンビニがあった場合にはごみのポイ捨てや嘔吐の処理といったものまで出てきます。
こうした事情によりトイレの貸し出しを禁止するコンビニが増えてきました。
コンビニとしても集約に繋がらないだけならまだしも、被害が出てしまっている現状であれば続ける理由はありません。
特にコロナ禍によって衛生面の重要性が叫ばれる昨今。
これを機にトイレの貸し出しを禁止する店は増々増えることでしょう。
自治体と連携した取り組みとは
そんなトイレ利用禁止が進められるなか、反対にコンビニのトイレをもっと利用してもらおうという取り組みが見られています。
神奈川県大和市をはじめとした一部自治体が、コンビニを公共トイレとして提供する取り組みを開始しました。
自治体の取り組みに賛同するコンビニを募り、対象のコンビニには自治体からトイレットペーパーといった備品を提供する、という仕組みである。
コンビニは公共トイレと銘打ったステッカーなどを店舗に貼り付け、いつでもトイレを利用できるようにします。
自治体がこうした取り組みを行う裏には、外出時におけるトイレ問題を解消する狙いがあるようです。
外出時にトイレが少なく、困った経験がある人は多いようです。
内閣府の調査ではこのトイレ問題が外出の障害となっていることが分かりました。
これを解消するにはトイレの数を増やすことが急務です。
しかし時間と何よりコスト、そしてセット場所が限られている以上、それにも限界があります。
そこで今回のようにすでに存在するトイレ、即ちコンビニのトイレを公共トイレとして利用できないかというのが今回の主旨となります。
自治体としては備品を提供するだけでこの問題を解消でき、コンビニ側としては公共トイレをアピールし、集約を狙うことができます。
何より自治体と連携している信頼性、として無償でトイレを提供するという誠実性をアピールできるのはコンビニとして大きなイメージアップになるのではないでしょうか。
どうせトイレを貸し出すのであればこうして積極的に貸し出すというのも一つの手と言えるでしょう。
一方で懸念すべきなのが、やはりトイレの管理でしょう。
公共トイレとうたう以上、常にトイレを利用できるよう管理しなければなりません。
清掃の回数やトイレットペーパーなどの備品の消費量が増えるなど、労力、コスト面では相変わらず解消されることはありません。
自治体からのバックアップがあったとしても現状それだけでかまなうことが困難なのが現状です。
そのため、今後こうした公共トイレを全国的に増やしていくようであれば自治体がコンビニに対して補助金を出すなど、今以上に積極的な支援が必要です。
公共化による影響
では今後、コンビニのトイレが公共化された場合の影響について考えてみましょう。
ここでは利用客、コンビニ双方でのメリット、デメリットをあげています。
<メリット>
- 外出時にトイレに困らない
- 清潔なトイレを利用できる
- 安全、安心にトイレを利用できる
- コンビニの集客アップ
- コンビニのイメージアップ
- トレイの備品について自治体が負担
やはり利用者側のメリットとしては、どこにでもトイレがある、という安心感でしょう。
また、公園といった無人のトイレなどと違い、有人のコンビニ内のトイレであれば夜間であっても安心して利用できる、という点も大きいです。
地味に嬉しい点として、清潔なトイレを利用できるということです。
これもやはり無人のトイレと比較した場合、大きなメリットとなるでしょう。
コンビニとしてのメリットはやはり売り上げアップが期待できることです。
理由はどうあれコンビニに来店してもらえる機会が増えることで販売機会が増えます。
トイレの利用者全員は無理でもそのうちの何人かは必ず何か商品を購入することでしょう。
また、これまで無償でトイレを貸し出していたコンビニであれば自治体より一部の備品を提供されるため、それだけで管理費の負担が軽減されます。
<デメリット>
- トイレが混雑してコンビニの本業に影響する
- トレイの利用者増加により、清掃頻度が多くなる(トイレが汚れやすくなる)
- いついかなる時でもトイレを利用できる管理しなければならない
デメリットが発生するのは主にコンビニ側だけでしょう。
唯一利用者側にデメリットがあるとすれば、トイレを利用しない客です。
商品を購入しようと来店した際、トイレ待つにより店内が混雑する恐れがあります。
コンビニ側としてはなんといっても、トイレの清掃をはじめとした管理のための労力、コストが発生することです。
公共化されることで今以上の利用者が増える可能性が高まります。
当然、清掃の回数も増やさなければならないでしょう。
結果これがコンビニ業務へも影響がでる可能性が懸念されます。
何より、自治体より委託された側のコンビニは「トイレの貸し出し」という業務が課されることになります。
そのためトイレの利用を希望する人がいた場合には必ずそれに応える義務が発生します。
これまでサービスの一環として行ってきた場合と異なり、よほどのことがない限り、トイレの利用を断れなくなる、とうデメリットが発生してしまいます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
公共化によって一見コンビニ側としてはデメリットばかりとは一概にはいえません。
コンビニがトイレという機能を追加することで地域にとってなくてはならない存在となります。
需要が高まることで自治体からのバックアップについても今まで以上になる可能性も秘めています。
そして将来的に委託料として金銭が発生することになれば、それはコンビニにおける大きな売り上げの柱となることでしょう。
そして利用者側としてもどこにでもトイレがあるという安心感を享受することができます。
公共化を広めるためには利用者側としてのマナーについても見直す必要があります。
今後トイレを借りる際には、それが当然とは思わずコンビニへの感謝の気持ちをもつことが大切です。
- トイレの貸し出しはコンビニ来店者用のサービス
- トイレ利用者のマナーの悪化により貸し出し禁止のコンビニが増加
- 自治体がコンビニへトイレの公共化を委託
- コンビニは集客力、イメージアップのメリット
- 利用者はどこでもトイレを利用できる安心感
- トイレの利用者が多くなることでもデメリットも懸念