駄菓子屋から消えた「うまい棒」、その意外な理由とは

物価と高騰の波は子供たちのお菓子にも広がっています。
「うまい棒」が駄菓子屋から消えつつあるという事態にも繋がりました。
「うまい棒」といえば2022年2月ごろに当ブログでも値上げの件について紹介しました。
※以前の記事はこちらから

発売から42年間かわらず10円で販売してきた商品なだけに大変衝撃的なニュースでした。
しかしコロナ禍の影響により他の食品などの例に漏れず、コスト増により値上げに踏み切ったのです。
値上げは2022年4月1日より開始となり、その影響はじわりじわりと巷に広がっているようです。

この値上げの影響によって将来的には全ての駄菓子屋から「うまい棒」が消える可能性が出てきました。
そこにはコストだけでは判断できない、駄菓子ならでも切ない理由があったのです。

たかが2円、されど2円

たった2円の値上げなどまだ可愛いもの。
多くの人はそう思うことでしょう。
むしろこれまで10円だった安すぎではないかという消費者もいたのではないでしょうか。
事実値上げ発表当初も多くの人がこの値上げについて寛容に受け止めています。

一見値上げによる売り上げへの影響は低いものと考えられてきました。
しかし影響が出たのは売上以前の話だったのです。

2円の勘定は手間…

話は変わりますが、駄菓子屋といえば、10円単位で安くて美味しいお菓子をたくさん買えることで知られています。
基本的に価格は10円単位であるため、買う側も売る側も現金での購入となることが多いでしょう。
しかしここに2円が追加されたらどうでしょうか。
買う側としては2円を財布から出すのは面倒だとは思いませんか。
そして売る側からすると計算しづらく、かつお釣りが発生しようものならその面倒くささといったら買う側の比ではないでしょう。
特に昔ながらの個人経営の駄菓子屋の場合、レジや電卓を使わず商品を見ただけで値段を計算、売買のやり取りをすることも珍しくありません。
しかしここの端数である2円が追加されるとその難易度は急激に増大します。
まして経営されているお店の方が高齢であればなおさらです。
うまい棒の利益率を約3割と考えると純利益は3,4円ほどです。
この3,4円のために果たしてこの手間を受け入れることが店側にできるでしょうか。
お店側が苦労するだけであればそれも受け入れる場合もあります。
しかし誤ってお釣りの計算を間違えるなどお客さんへの影響が出ることを考えた場合にはいっそ商品の取り扱いをやめるというのも一つの手となります。
よってこうした手間暇によって駄菓子屋としては「うまい棒」からの撤退を表明する事態に陥ったのです。

他の商品への影響も

この話の怖いところは「うまい棒」だけに終わらないことです。
今後も似たようなケース(端数単位での値上げ)での値上げが他の商品であった場合には同様に商品の取り扱いをやめることもあえりるでしょう
10円という最小単位である「うまい棒」ですら撤退を表明するようであれば他の値段の商品であってもその可能性はより高いと考えられます。
その分だけ会計の計算が複雑化しますからね。

対策は思い切った値上げ

こうした他の商品にも伝播、結果駄菓子から駄菓子がなくなる未来が来る可能性も否定できなくなりました。
これを打破するには当然値下げし、当初の値段にすることです。
もちろんこれができれば苦労しません。
そこで現実的な案としてはいっそのこと値上げ額を上げる、ことです。
例えば「うまい棒」であれば10円から20円にする。
これだけで上記の問題は解消されることでしょう。
もちろん、メーカー側、駄菓子屋側としても利益アップになることは間違いありません。
一方で買い手側への負担を強いることになります。
これについてはいざ試してみないとなんともいえないことでしょう。
駄菓子とは生活必需品ではないものの、日本の良き文化として今後も未来へと残してほしい存在です。
今回の「うまい棒」の値上げの反応を見る限り、値上げについて反発する人は少ないことが分かりました。
よって多少大幅な値上げをしたとしてもそれを受け入れてくれる客層は必ずいるはずです。
そしていつしかその値段がスタンダートとして認知されれば、駄菓子の値段について、人々の意識から刷新されるのではないでしょうか。
このままなくすには惜しい、駄菓子。
なんとか次の世代に繋げたいものです。

まとめ

いかがだったでしょうか。
たかが2円と侮るなかれ。
これが業界にとっては大きな波紋となったことは間違いないことでしょう。
今後もこの波は続くものと思われる。
この波が落ち着くのが先か、物価高騰が止まるのが先か、先行きは不明ですね。

  • 「うまい棒」の値上げは2円
  • 値上げによって駄菓子屋から「うまい棒」が消える
  • 利益ではなく、手間がかかる2円問題
  • 駄菓子を存続させるためには大胆な値上げも必要
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