入場制限が解除しつつあるテーマパーク。
コロナ禍により入場制限や休園を余儀なくされたところは数多く存在します。
入場制限が解除されたとしても引き続き人が密にならないように対策を講じなければなりません。
人気のテーマパークほどその影響は大きく、喫緊の対応が必要となります。
そんなかディズニーランド、およびディズニーシーでは新たな取り組みとして、アトラクションの事前予約サービスを有料で開始することを発表しました。
2022年5月19日よりサービスが開始される「ディズニー・プレミアアクセス」について解説します。
有料化により今後どのように待ち時間が変わるのでしょうか。
「ディズニー・プレミアアクセス」とは
「ディズニー・プレミアアクセス」の専用アプリから利用できるアトラクションの事前予約サービスでうす。
アトラクションの体験時間を指定できるため、従来のように列に長時間並ぶ必要がありません。
ディズニーといえば長時間の列、という当たり前でしたが今後はこれが大きく変わるきっかけとなるかもしれません。
また、コロナ対策として人が密集することも避けることができます。
予約するにあたり1回につき2,000円が必要となります。
現時点で該当するアトラクションはランド、シーでそれぞれ一つずつとなります。
・ディズニーランド →『美女と野獣“魔法のものがたり”』
・ディズニーシー →『ソアリン:ファンタスティック・フライト』
一つずつというのが少ない気がします。
まずは試験的に導入、という意図があるのかもしれません。
今後採算、効果が見られた場合には拡大する可能性がありますね。
2,000円の価値があるかは人それぞれ
次に「ディズニー・プレミアアクセス」を利用すべきかどうかを検証しましょう。
1回につき2,000円というのは果たしてお得なのでしょうか。
『美女と野獣“魔法のものがたり”』を例にとりましょう。
このアトラクションの平均待ち時間(休日の場合)は60分~80分ほどです。
連休のピーク時においては160分待ち、というのも珍しくありません。
これらの時間が0になる、と考えるとどうでしょうか。
人によっては意見が分かれるところでしょう。
この待ち時間を他のアトラクションやパーク内の散策に利用できるというのであれば2,000円以上に価値はあります。
一方で待ち時間が苦にならない人。
何度もこのアトラクションを体験済の人や年間パスポートを持つ熱狂的なディズニーファンであれば価値は低いと思われます。
この他、待ち時間もアトラクションの一つと捉えている熱狂的なファンもいることでしょう。
よって「ディズニー・プレミアアクセス」を利用するかどうかは当日来園する目的によって意見が分かれ、一概に利用すべきかどうは判断できません。
あえて白黒つけるのであれば待ち時間を時給換算して比較することです。
東京都の時給最低賃金は約1,000円です。
そのため「ディズニー・プレミアアクセス」は2時間分の労働を対価に得られる夢のチケットとなります。
2時間以上列に並ぶ必要があるというのであれば十分に元はとれる、と考えてもよいでしょう。
もっとも夢に国においてこうした考えは無粋であることは言うまでもありません。
一つの参考程度にお考えください。
他のテーマパークは?
この有料予約サービスですが他のテーマパークの導入事例が存在します。
ディズニーランドと比肩する西の大テーマパーク。
ユニバーサルスタジオジャパン(以下USJ)です。
こちらでは『ユニバーサル・エクスプレス・パス』とよばれる予約サービスが導入されています。
こちらも同じく指定の時間に待ち時間不要でアトラクションを体験できるというものです。
『ユニバーサル・エクスプレス・パス』は数種類存在し、一つのアトラクションから全てのアトラクションを待ち時間不要で体験できます。
一つのアトラクションだけの場合は2,000円となります。
一方で全てのアトラクションの場合は1,5800円となります。
これは入場料の2倍の価格となります。
一つのアトラクションだけで見ればディズニーと同額です。
そのため今後はこの価格が一つの基準となり、ディズニーも拡大するのではないでしょうか。
なお筆者も一度この『ユニバーサル・エクスプレス・パス』を利用した経験があります。
大阪観光の一つとしてUSJを訪れましたが、とにかく時間がなかったため、大変重宝しました。
時間をお金で買う、と割り切ってしまえば需要の高いサービスではないでしょうか。
ファストパスは廃止の流れ?
気になるは今後この有料ファストパス的制度が拡大するかどうか。
また現行のファストパスやスタンバイパス制度との兼ね合いです。
まずファストパスですが2020年7月から現在まで発行を中止しています。
コロナ禍の影響もあり今も発行を中止している状態です。
今後再開される目途もたっていないようです。
このファストパスに代わりともいえるスタンバイパスが主流となる可能性が高いです。
コロナ禍以降、ディズニーリゾートを訪れていない人は知らないでしょうが、現在はこのスタンバイパスを利用しなければアトラクションを体験できない場合が増えてきました。
スタンバイパスとは、専用アプリより該当するアトラクションの体験時間をあらじめ予約することです。
※そのため、有料予約となる「ディズニー・プレミアアクセス」はファストパスではなくスタンバイパスの有料版と呼ぶほうが近いかもしれません
当日のアトラクションの混み具合によってはこのスタンバイパスが必要となります。
そのため実質的にこれがファストパスの機能を有しているといえるでしょう。
むしろファストパス以上に便利になったと言えるかもしれません。
ファストパスの場合では実際の券を園内で発券しなければなりません。
そのため、開園直後にダッシュでファストパスをゲットするなど問題行為も発生していたようです。
こうした課題を解決するためにもスタンバイパスは有効であり、コロナ禍を抜けた場合であっても継続されることは間違いないでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
コロナ禍によりテーマパークのありようも大きく変わってきました。
来園者がより便利に、安全になることは望ましいところです。
今回の予約有料化によって他のテーマパークも追従するかどうかが気になるところです。
何にしても引き続き誰もが楽しめるテーマパークとしてディズニーにはあり続けて欲しいですね。
- 特定のアトラクションに限り有料予約が開始
- 予約料金は1施設2,000円
- ユニバーサルスタジオジャパンでも同額での類似制度あり
- ファストパスの再開目途はたっていない
- 今後も予約制は拡大する可能性あり