2023年4月より東京都内の高校生を対象とした医療費の無料化が実現しそうです。
現在は都は中学生までの医療費を無料とてきましたがこれが拡大されます。
何かとお金がかかる昨今。
子供を対象とした助成については大いに歓迎するところです。
特に昨今のコロナ禍の影響により出るお金は増えるものの、入ってくるお金は変わらない、または減る一方です。
子育て世帯にとって子供にかかる費用は少しでも減らしたいところ。
今回の都の発表は久しぶりの明るいニュースと言えるでしょう。
今回はこの高校生の医療費無料について解説します。
無料化の詳細について現状の助成状況を踏まえながら今から備えておきましょう。
子育て世帯の親御さんには特に読んでいただきたいです。
現状の医療費は中学生まで無料
2022年現在、東京都内における医療費はどうなっているのでしょうか。
ほぼ全ての自治体にて所得制限などの条件なしに一律15歳までの医療費は無料となっております。
これは都が医療費の一部を助成し、その残りを区や市といった自治体で負担することで実質無料化を実現しているのです。
今後はこれを18歳、つまりは高校生までを対象を拡大する、ということになります。
中学生までを対象とした無料化が始まったのが2007年でした。
そこから16年の月日が経ち、ようやく高校生まで拡大したかたちです。
さて、こ2023年度からの無料化に先立ち、現在千代田区は独自に高校生までの無料化を実施しています。
今回の都の発表によりようやく都内全自治体を対象となり、千代田区に追いつく形となりました。
無料化実現にあたり2022年度の予算案に約7億円が計上されています。
次年度開始に向けての準備費用といったところでしょうか。
これだけの規模の予算を計上しているため、無料化実現はほぼ確定といってもよさそうです。
なお、実際の無料化に伴う費用は今後年間10億円ほど必要となるようです。
気になる助成対象は
気になる助成対象については残念ながら今回の都の発表では詳細について明かされませんでした。
しかし現状の中学生までの助成を拡大する、という想定であれば条件は据え置きとみてよいでしょう。
即ち所得制限などなく、都内在住の18歳以下であれば誰でも対象、ということです。
ただし、通院、入院など細かな条件については引き続き自治体によって助成範囲が異なる可能性があります。
これらの細かな点については今後詰めていくのではないでしょうか。
個人的には東京都内で足並みをそろえて同一の条件になればよいのですが。
無料化の狙い
18歳以下まで無料化とした狙いは何だったのでしょうか。
当然子育て世帯への援助でしょう。
特に高校生は子育てにおいてお金のかかる期間と言ってもよいでしょう。
大学の場合、学費こそ高いものの奨学金を積極的に利用できること、子供本人がアルバイトすることで負担軽減ができます。
何より大学にはいかない、という選択肢もあります。
一方で高校の場合、義務教育ではないとはいえ、ほぼ全ての子供が高校への進学を行っているのが現状です。
そして高校生になると大学受験が控えています。
大学受験を見据えて、有名私立高校へ進学すればそれだけで学費は公立高校の何倍もの授業料がかかります。
※授業料軽減補助制度があった場合でもその差は歴然です
また中学以上に本格化する部活の備品費用。
塾、予備校代。
そして大学受験費用など、お金がかかるイベントが盛りだくさんです。
そのため高校にこそ、今回のような医療費の助成は必要だったのではないでしょうか。
勉強に集中するためには身体のコンディションを万全にする必要があります。
健康体でいるため、定期に歯医者に通うことにすらお金がかかってきます。
子供としても親に負担をかけたなくないと考え、ちょっとした不調をうったえることも控えているケースもあるのではないでしょうか。
それによって病状が悪化し、手遅れになる事態は避けなければなりません。
子供が健全に生活できるためには医療サービスをしっかり受けることが体制を大人たちは整えなければなりません。
今回はその第一歩が実現したのではないでしょうか。
国内におけるの無料化の実現状況は?
今回は東京都内が対象でした。
他の都道府県はどうなのでしょうか。
実はすでに一部の地域では医療費の助成を行っています。
福島県、茨城県、静岡県、鳥取県の4県です。
ただしこれらの県でも通院と入院などによって助成対象が異なります。
そのため、真の意味での完全無料化というのは実現されていないのが現状です。
今回の都の発表を機に、日本全国で同じ動きがあることを期待せずにはいられません。
まずは都で実施し、無料化によってどれほど良いの影響が出るのかを検証しなければなりません。
都民がやってよかったと思えることができれば全国に広がることでしょう。
無料化に伴う課題
無料化万歳といったところですが、一概に喜んでいられることばかりでもありません。
当然医療にが無料となることで発生する課題もあります。
大きな課題として下記2点があります。
- 医療費の圧迫
- 医療機関の業務負荷増大
1.医療費の圧迫
言うまでもないですが、この医療費は当然税金という形で都民にかえってきます。
無料であることをいいことにどんどん病院に行ってしまうとそれだけ医療費が増大し、医療費を圧迫します。
そして現在の税金だけでまかなえなくとどうなるのでしょうか。
当然、増税がまっています。
子育て世帯であればまだ納得できますが、そうでない人はどうでしょうか。
自分には何の恩恵もないのに税金だけが増えていく。
これではたまったものではありませんね。
この声が大きくなると最終的には無料化が廃止となりかねません。
そうなると子育てしづれい環境となり、結果少子化が加速する事態も考えられます。
2.医療機関の業務負荷増大
無料だからといってちょっとしたことでも病院にかかっては病院側の業務が増大します。
ただでさえ現在はコロナ禍の状況であり、病院、医師ともに不足しています。
ちょっとしたことで病院にかかるようになればこうした命に関わる急患への対応を病院ができなくなる可能性があります。
この他にもさまざまな面で課題は発生することでしょう。
それらを解決し、その上で総合的にみてこの無料化を「やってよかった」と言えることが望ましいですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
対象制限や課題といった面が気になるところですが、ひとまず喜ぶべきことでしょう。
都民にとっては明るい話題となったことは間違いありません。
これによって多くの親子が救われることでしょう。
こうした都民に即した取り組みについては今後もどんどん実施してほしいですね。
- 開始は2023年4月
- 18歳以下が対象
- 対象、条件などは現状不明
- 無料化に伴う課題もあり