保険証廃止が確定 マイナンバーカードが普及しないわけ

健康保険証の廃止が正式に発表されました。
2024年度秋廃止に向け、国民はマイナンバーカードを取得する必要があります。
マイナンバーカードには「マイナ保険証」という保険証の機能が集約されたサービスがあります。
今後はこちらのマイナ保険証を国民は利用していくこととなります。

先日当ブログでも取り上げた保険証廃止の件。
※まずはこちらの記事をご確認ください

このたび政府からの正式発表が行われ、いろいろと追加情報が発表されました。
今回の新たな判明した情報。
及び現在マイナンバーカードが普及しない原因についてまとめてみました。

スマートフォンへの機能実装は危険?

今回の発表で最も注目すべき点。
それはスマートフォンへマイナンバーカードの機能を実装することです。
現在のところアンドロイドが対象となるため、こちらは義務、必須ではさそうです。
スマートフォンに機能が搭載されることでマイナンバーカードを持ち歩くことが不要となります。
これによってマイナンバーカードを紛失するリスクを下げることが期待できそうです。

この他スマートフォン一つだけで行政手続きが行えるようになる。
民間事業者が国に支払う電子証明書利用料が期間限定で無料になるなどさまざまな恩恵があります。

このようにメリットばかりがフォーカスされがちですがデメリットはどうでしょうか。

最も懸念すべきは情報流出です。
スマートフォンと連動することでオンライン上の手続きが可能となります。
その結果、マイナンバーカード情報がオンライン上に流出する可能性は否定できません。
ただでさえ個人情報の塊であるマイナンバーカードとスマートフォン。
両者が一つとなることでよりセキュリティ面でのリスクは避けられません。
オンライン上への流出だけでなくスマートフォンの紛失も同様といえるでしょう。

どちらか一方だけでも紛失するとやっかいなだけにどちらも同時に紛失することとなれば今後の生活への影響、事後処理等もより手間がかかることは間違いありません。

一体化による恩恵は大きい一方、情報を集約することによるリスクも高くなることを認識しなければなりません。
利便性とセキュリティ。
この両者はどこまでいっても相反する存在です。
利用者にとってはどこまでリスクを許容し、いかの利便性を高くするかの判断が求めれそうです。

国民全員が手にする日はまだ遠い

マイナンバーカード利用のメリットについては過去の記事などで何度もお伝えしてきました。
もっと大きなメリットとし行政手続きの簡略化、利便性の向上があげられます。
確定申告や、各種給付金の手続き等がこれに該当します。
またマイナ保険証については複数の病院間での利用者の薬の情報、病気の症状の状況共有が簡素にできること。
医療費控除の手続きの簡素化が期待できます。

こうしたメリットがあるもののその普及率はまだまだ満足できる状況ではありません。
2022年10月時点においてマイナンバーカードの申請率は約56%。
交付率では約49%と約国民の半分に届いたところです。

2022年6月からはマイナポイント第2弾が開始するなど、国としても普及の後押しを積極的に行っています。
にもかかわらず遅々として交付率が低い状況はなぜなのでしょうか。

主な理由として

  • マイナンバーカードを現在必要としていない
  • マイナンバーカードの取得が手間
  • 情報流出の懸念

が考えられます。
これらを上回るメリット。
つまり利便性やお得さをマイナンバーカードが生み出さなければこうした人たちを動かすことは難しいと思われます。

この他、将来的に国民全員の取得を目指すのであれば

  • 赤ちゃん用マイナンバーカードの取得について、手続きの簡素化
  • 民間企業でもマイナンバーカードを使ったサービスの提供
  • マイナンバーカードの読み込みリーダといった機器導入に費用の補填
  • 個人情報のセキュリティ強化と安全性に関する啓発

などが必要となるのではないでしょうか。

国民全員ともなれば小さな赤ちゃんからお年寄りまで全員が対象となります。
これらの人たちがマイナンバーカードの申請することは困難な場合があります。
また交付後のカードの管理についても注意しなければなりません。
そのためこうした人たちを対象とした手続き、運用についての制度作りが必要となります。

さらに現在は利用者と行政機関だけにメリットとなっています。
民間企業でもマイナンバーカードを使った個人情報の確認、カード提示によるサービスアップといった利用方法も検討することで社会全体でカードの必要性を高める必要があるのではないでしょうか。
この際、マイナンバーカードを読む込むカードリーダといった環境機器について国が費用を補填するなども必須でしょう。

そして最後になんといっても国民が懸念している不安を払拭しなければなりません。
個人情報を扱う機関のセキュリティ対策について制度を定める。
そしてこれにより安全であることを国民に広くアピールしなければなりません。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回の保険証廃止はマイナンバーカード普及における第一歩です。
今後は免許証も一本化されることがすでに検討されています。
同じような動きは今後はどんどん進むことは間違いないでしょう。
それが利用者にとってメリットだけなら歓迎すべきことです。

一方でこれにより利用者に不利益が発生することも十分に考えられます。
今回のように実質マイナンバーカードによる保険証に切り替えの場合にはこれを保証すること。
利用者が任意にサービスを選べることができるのであればそのメリット、デメリットをしっかりと把握したうえで利用有無を判断していかなければなりません。

  • マイナンバーカードの機能をスマートフォンに実装する
  • マイナンバーカードの利用には個人情報に対する安全面に注意する
  • 国民全員にマイナンバーカードを普及させるには多くの課題をクリアする必要がある
  • 免許証の機能統合など今後もマイナンバーカードへの機能集約は拡大する
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