100%果汁のジュースと聞いて皆さんはどのような感想を持ちますか。
果物そのもの100%余すことなく使った美味しいフルーツジュースを想像するのではないでしょうか。
キリンビバレッジ株式会社の商品「トロピカーナ100％まるごと果実感メロンテイスト」。
このパッケージ表記が景品表示法違反に当たるとして消費者庁が措置命令を出しました。
問題があったのは「100%」という表記でした。
100%と表記があるものの実際の原材料においてお目当ての果汁が2%しか含まれていなかったのです。
これがどういうなのでしょうか。
消費者の誤解を与えるパッケージ画像と文字の表記
今回違反のポイントとなったのは画像と文字による消費者への意識誘導です。
パッケージ画像にはメロンの写真がでかでかとうつっており”これがメロン味のジュース”ということを強調しているように見えます。
さらに文字にも「100％ MELON TASTE」「厳選マスクメロン」といったメロン想起させる内容です。
これらによって消費者はパッケージをパっと見ただけでメロン味のジュースと誤認しても仕方がないことでしょう。
しかし原材料にはメロン以外にもリンゴ、ブドウ、バナナも含まれておりこれらが全体の98%を占めています。
つまりメロン要素はわずかに2%だけであり、どちらかといえば、メロン以外の味がメインといえるでしょう。
原材料をしっかり確認することができればメロン味がメインでないことをすることができますが、いちいちジュースを買う際に確認する人は少数でしょう。
結果、これが消費者を意図的に誤認させる悪質な商品として消費者庁の目にとまったようです。
なおキリンビバレッジ株式会社は公式HP上にて当案件についてコメントを出しています。
謝罪と共に既に対応済であることを述べています。
『100% メロンテイスト』表記にご注意
さてこの商品ですが現在は既にパッケージが変更されています。
実は4月の段階で消費者庁より指摘を受けたすでに対応を行っていたようです。
画像はメロン以外の果物が追加されています。
また文字の表記についても「100％ FRUIT JUICE」といったかたちで”メロン果汁は100%でない”という内容に修正されています。
シリーズ化された商品であるためかどうしても「100%」という表記だけは残さざるえないようです。
また、公式HP上の商品説明欄には「メロンテイスト」とうたっており、メロンが含まれていることもどうしてもアピールしたい気持ちは残っているようです。
”メロンテイスト”なので決してメロン味とは断定せず、あくまでもメロン風味なのでセーフといったところでしょうか。
メロンはどうでもいい？
さて気になったので筆者もこの商品を購入しました。
現在のパッケージは前述の通り、いろいろなフルーツが組み合わせったフルーツジュースを思わせるものです。
そして気になる味は…美味しいです。
それぞれの果物の甘さと酸味が絶妙なバランスで保たれており、そこにほのかにメロンの味がするといったところです。
当然ですがメロンがメインではなく、あくまでも仕上げの隠し味程度といえるでしょう。
とはいえこれはこれで美味しいのもの事実です。
しかしこれがメロン味を求めて購入された人であればがっかりすることは間違いないでしょう。
今回の一見においてこれがこうした人が少なること祈るばかりです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
パッケージ画像、文字の一つをとっても消費者にとっては大きな影響をもたらす要素です。
そこに間違いがあってはなりません。
今回キリンビバレッジ株式会社がどのような意図をもってメロンを前面に出したかは分かりません。
少なくとも”あやまってメロン味として購入してしまう”こと想定しなかったわけではないでしょう。
結果これが措置命令へと繋がり、同社にとって大きな痛手となったのではないでしょうか。
人気のあるシリーズだけに残念でなりません。
企業としては引き続き、消費者が満足できる商品を提供できるよう頑張っていただきたいですね。
また、消費者としても騙されることなく、商品を見極められるよう注意しましょう。
- 画像と文字による誤購入を助長した可能性がある
- 問題の画像や文字は変更済
- 商品自体は美味しいフルーツジュース