救急車のサイレンは必要?今苦情が殺到する理由とは

  • 2022年2月15日
  • 2022年2月15日
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緊急車両のサイレンを聞くと思わずビクッとしませんか?
「うるさい」「静かにして欲しい」。
緊急車両、とりわけ救急車へのこうした苦情が昨今頻発しているようです。
確かにここ数年、救急車のサイレンを耳にする機会が増えたような気が来ませんか。
確かに夜間などは静かにするなど融通が効けばよいなあと思わなくもないですね。
今回はこの昨今の苦情内容と、サイレンが必要な理由について解説します。

サイレンを聞き「うるさいなあ」と思ったあなた。
怒る前にまずはこちらの記事をご確認ください。
救急車の諸事情について理解いただければ幸いです。

サイレンへの苦情は身勝手?

緊急車両のサイレンを聞き、気分がよくなる人はいません。
街中で聞く分には「何か事件、事故があったのか」と緊急車両を呼んだ当人でなければさほど気にしないことでしょう。
しかしこれが家の内で聞こえた場合、気持ちは一変します。
「テレビの音が聞こえない」
「近くで鳴っていると何か起こったのか不安になる」
「せっかく眠った子供が起きてしまう」
などなどネガティブ感情が沸き起こります。
これはひとえに家というプライベート空間に第三者がサイレンを通して介入してことが要因でしょう
緊急車両はその名の通り緊急の要件があり、サイレンを鳴らしています。
必要性があることを理解する一方、自身に関係のない案件であればどうしてもこうした感情をもってしまうことも仕方がないことなのでしょう。
これ自体は許されることでしょう。
しかしこの件について苦情を入れることについてはいささか行き過ぎた行動ではないでしょうか。

消防署への苦情は400件

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救急車のサイレンがうるさいことについて国内各地の消防署に苦情が寄せられています。
Yahooニュースによると2021年のサイレンに関する苦情は約400件とのこと(東京消防庁調べ)。
1日あたり最低でも1件の苦情は発生していることになりますね。
2020年は150未満であることを考えるとその増加傾向は顕著です。
ただし2021年の400件のうち、約190件については同一人物からの通報とのこと。
いたずらやクレーマーという可能性も考えられます。
しかしこの190件を除いたうえでもない、前年比越えであることがわかります。
なぜこれほどまでに増加したのでしょうか。

苦情が増えた理由

苦情が増えた理由として以下の理由が考えられます。

  1. コロナにより緊急搬送される人が増えた
  2. テレワークにより在宅勤務の人が増えた
  3. コロナ禍によりストレスを感じる人が増えた

いずれもコロナがきっかけとなっています。
1.コロナにより緊急搬送される人が増えた
これは至極全うな理由ですね。
コロナが広がり、緊急搬送される人も増えます。
また、最近では受け入れ先の病院を探すことがあるため、あちこちぐるぐると救急車が街中を走る時間も増えていることでしょう。
特に受け入れ先が見つけづらい深夜であればよりその機会は増えます。
真夜中の静寂をサイレンが破り、多くの人がネガティブな感情を持ってしまうことに繋がります。
2.テレワークにより在宅勤務の人が増えた
オフィスによっては緊急車両のサイレンが聞こえない環境となっている場合も多いことでしょう。
特に高層階建てのビルや防音性の高い社屋というのは都心部に多々存在します。
こうした環境になれたサラリーマンがいざ自宅で仕事をした際、これまで聞こえなかったサイレンが聞こえてくるようになります。
まだまだ在宅業務が慣れないだけに余計に神経をピリピリしていることを考えればサイレンの音はより際立って聞こえるのではないでしょうか。
3.コロナ禍によりストレスを感じる人が増えた
これまでの1,2についてはなんとなく仕方がない部分もあったことでしょう。
特にこれらは単純にサイレンを聞く機会が増えるため、その中から苦情を言う人もより出てくることでしょう。
一方で3については擁護が難しい理由となります。
外出をはじめとした各種制限により人々はストレスにさいなまれています。
この”誰も悪くない、苦情を言う相手が存在しない”という状態が今回のサイレン苦情問題に大きく影響しているのではないでしょうか。
緊急車両を管轄するのは公務員です。
公務員とは日頃より「クビにならない安定した職業で高給取り」
などと一部世間よりやっかまれているいます。
また、人によっては「公務員は市民に奉仕するのが当然」、「自分のほうが偉い」
などと勘違いした輩もいます。
こうした人たちがこれ幸いと、サイレンをダシに苦情をいれたのではないでしょうか。
実際の上記で紹介したように1人で190件もの苦情を入れた人などはそのクチではないでしょうか。
こうしたクレーマーは常日頃よりストレスのはけ口を探しています。
特に公務員とはその標的となりやすい傾向にありますね。
今回のサイレン問題はそれがより顕著に出た結果なのかもしれません。
また、普段温厚な人であってもこのコロナ禍において不安を覚え、結果クレーマーまがいな行動には走らせたことも考えられます。
もしこうした自分勝手な生産性のないクレームなのであれば即刻やめてほしいところですね。
こうした理不尽なクレームであっても公務員は立場上、対応せざるえない場合があります。
これが業務に支障をあえた、結果サービスを享受する我々市民へかえってくる可能性があります。
極端な話、これがきっかけでサイレンが廃止となったらどうでしょう。
結果、サイレンをなさらないことで事故の二次被害が発生したり、予定よりも緊急車両の到着が遅れ、取り返しのつかないことになることでしょう。
めぐりめぐって自分たち(市民)の首を絞めることにもなりかねません。
こうした事態だけは避けるためにも心にゆとりを持つと共に緊急車両側の立場をおもんぱかることを心がけましょう。

サイレンは法令で定められている

さて、ここからは視点をかえて、そもそもなぜ緊急車両はサイレンを鳴らさなければならないのかを確認しましょう。
簡単にいってしまえいば、道路交通法にその旨が記載されているからです。
緊急車両とよばれるものは緊急車両として道路を走行する場合、下記2点を条件を満たさなければなりません

  1. サイレンを鳴らすこと
  2. 赤色に警告灯を点灯させること

これらを満たすことによって、より迅速に現場に急行するため、以下のような特例が認められるのです。

  1. 右側通行の特例
  2. 停止義務免除の特例
  3. 横断歩道接近時の減速義務免除の特例
  4. 緊急走行時の最高速度の緩和

読んでみてなんとなく理解できるものばかりと思います。
要は信号無視してもOK、最高速度は80km/hまで出せるなどなどです。
これらは当然一般車両では禁止されていることであり、当然危険な行為です。
この危険を最小限に抑えるため、サイレンや警告灯が必要となるのです。
「我々は緊急車両です、信号無視など特例を行使する場合があるため注意してください」
と周囲にアピールするためですね。
これがないことには周囲は緊急車両に気づかず、別の新たな事故を生みかねません!

法令で定められいなくてもサイレンがいかに必要であるかお分かりになったのではないでしょうか。
そのため、住民から「サイレンの音がうるさいから消してほしい」との苦情を消防署が受けた場合であっても当然聞き入れることはできないのです。
また、サイレンの音量を小さくできないのか、という案についても無理です。
こちらも法令にて厳格に定めれています。
90デシベル以上、120デシベル以下となります。
90デシベルとは「室内で聞くカラオケ」や「目の前で犬の鳴き声」といったレベルです。
緊急車両は周囲へその存在をアピールするため当然目立たなければなりません。
そのためうるさいレベルでなければ意味がないのです。
そのため夜間であろうとこれは遵守されます。
よって消防署や警察署果ては市役所等の行政機関をクレームをいったところでどうにもなりません。
諦めましょう。

まとめ

  • サイレンに関する苦情は年々増加傾向にある
  • 昨今の苦情理由の大半はコロナが原因と考えられる
  • 緊急車両のサイレンは法令で定められている

いかがだったでしょうか。
サイレンの必要性についてお分かりいただけたものと思います。
確かに苦情を言いたくなるような気持ちも分かりますが、なにもいやがらせのためにサイレンを鳴らしているわけではありません。
そこには遵守しなければより大きな事故になりかねないという立派な理由が存在します。
むやみやたらに苦情をいれたところで解決することはありません。
そんなことはするだけ無駄です。
むしろそうして職員の方々の時間を無駄に割くことで市民にとっては不利益にしかなりません。
将来、自身が緊急車両のお世話になった時にのことを考えてみましょう。
一刻も早く来て欲しいのにサイレンが鳴らせないことで取り返しのつかないことになったらどうでしょう。
サイレンの数だけそうした事故や事件が発生しているのです。
自身には関係がないからといって憤慨せず、必死で働いている職員の方々には感謝を。
それに助けられる市民の方々のは祈りを。
ムッとする前にまずはサイレンを鳴らす必要があることを冷静に考えてはいかがでしょうか。

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