「マイナ保険証」利用により医療費負担が増加する背景

マイナンバーカードと健康保険証が一体となった「マイナ保険証」。
2022年4月より病院で利用した場合、患者の医療費負担が増加することがわかりました。
なぜ負担額が増加するのかその背景を調査しました。
果たして負担増となっても「マイナ保険証」を利用する価値はあるのでしょうか。

今回は「マイナ保険証」について解説します。
「マイナ保険証」についてよく理解し、今後利用すべきかどうか各々の事情により判断しましょう。

「マイナ保険証」とは

冒頭でも説明しましたとおり「マイナ保険証」とはマイナンバーカードと健康保険証が一体となった機能のことをさします。
正確にはマイナンバーカードを保険証代わりに利用できることになります。
そのため「マイナ保険証」を利用する場合にはマイナンバーカードを作成済であることが必須条件となります。
マイナンバーカード作成後、健康保険証との紐づけをインターネット上で行うことで以後、「マイナ保険証」として利用可能となります。
「マイナ保険証」は2021年10月より厚生労働省手動により運用が開始されました。
しかし2022年3月現在、その普及率は低く、利用できる病院や薬局は全体の14%にとどまっています。
「マイナ保険証」を利用する場合、病院側ではカードを読む込む専用機器が必要となります。
そのため、導入するための金銭的負担が発生すること。
そもそもマイナンバーカードの保有率が低く、利用需要が少ないことから普及は遅々として進まないようです。
政府としてはなんとかこれを推進したいところですが、今回の患者による医療府負担増が発覚したことでより一層、普及に歯止めがかかるかたちとなる可能性が出ててきました。

「マイナ保険証」のより詳細内内容については厚生労働省のHPをご確認ください。

マイナンバーカードの健康保険証利用について

医療費負担増の背景及び詳細

さまざまなメリットが期待できる「マイナ保険証」ですが、今回なぜ医療費の負担が増加するのでしょうか。
その答えは「マイナ保険証」利用によって、国から医療機関側へ診療報酬が発生することになるからです。
この診療報酬の財源として患者の医療費があてられるため、負担額が増加することになりました。
2022年4月の診療報酬改定によって医療機関は1人につき月1回以下の報酬が発生します。
※3割負担の患者の場合

  • 初診時→21円
  • 再診時→12円
  • 薬局調剤時→9円

微々たるものかもしれませんがそれでも増額は増額です。
この数十円を支払ってまで「マイナ保険証」を利用するかどうかは人それぞれではないでしょうか。
「マイナ保険証」の有効性を実感できるようになれば将来的には安いと感じることになるかもしれません。
しかし国民の反応としては、”よくわかっていない「マイナ保険証」を使えば損する”という考えが先行しているのではないでしょうか。
それならば「マイナ保険証」は使わず、現状通り健康保険証を使用すればよい、と考えるのが心情です。
しかし残念ながら従来の健康保険証を使用した場合であっても初診時に9円の負担増となることが決定しています。
厚生労働省の見解として「マイナ保険証」が普及し仕組みが波にのれば広く患者にメリットがある、とのこと。
「マイナ保険証」を利用有無にかかわらず我々の負担が増えるため、このメリットについて一刻も早く実感したいところです。

「マイナ保険証」を利用するメリットとは

それではいよいよ「マイナ保険証」のメリットについて確認していきます。
専用サイトを確認したところ、下記のような記述がありました。

転職・結婚・引越ししても、新しい健康保険証の発行を待たずに、保険者での手続きが完了次第、マイナンバーカードで医療機関・薬局を利用できます。
また、マイナンバーカードを用いて、薬剤情報、特定健診等情報、医療費通知情報を閲覧することが出来るようになります。薬剤情報と特定健診等情報については、患者の同意を得た上で医療関係者に提供し、より良い医療を受けることが出来るようになります。

マイナポータルの”よくあるご質問”の回答

端的に列挙すると以下の通りです。

  • 医療機関同士で薬剤情報等を共有できる
  • 健康保険証の発行を待たずに医療機関で利用できる
  • 医療機関側の保険証チェックの事務作業負担が軽減される

上記2点については患者側のメリット。
3番目については主に医療機関側のメリットといったところでしょうか。
確かに複数の病院、薬局間にて我々患者の情報を共有することができるようになれば説明の手間や効率的な治療を行うことが期待できます。
また、引っ越し、結婚といった保険証を新たに発行する際、新しい保険証が届くのを待つことなく病院に行けるというのも地味にありがたい点でしょう。
医療機関側の作業負担が軽減されることも、患者の待ち時間短縮や医療費の抑制などにも繋がるため、最終的には患者側のメリットもあると言えますね。

この他、専用のポータルサイトとe-Taxを連携することで確定申告の作業負担が軽減されるなど、医療以外でのメリットもあります。
今後もマイナンバーカードの利便性が向上することでこうした事務手続きも簡略化される可能性があります。
そのため将来的には今以上のメリットが期待できるのではないでしょうか。

「マイナ保険証」を利用すべき人は?

「マイナ保険証」のメリットを把握したうえでどのような人が「マイナ保険証」を利用すべきなのでしょうか。
それは

複数の病院、薬局をよく利用する人

です。

病院、薬局をよく利用する人、特にさまざまな機関を利用するのであれば積極的に利用することをおススメします。
なぜなら医療機関同士での情報共有が円滑になり、それだけ効率的な医療を受けることができる、という点が大きいからです。
いちいち新しい病院に行って、これまでに服用している薬や症状などをお医者さんに伝えるのも面倒ではないでしょうか。
伝え漏れなども考えられます。
こうした「情報共有」がしっかりとできることこそ「マイナ保険証」の最大の特徴と言えるでしょう。
健康保険証と比べ初診時に12円多く医療費を払う必要がありますが、この機能がしっかりと活かせることができるのであれば安いものではないでしょうか。
また、何より医療機関側としても事務作業の軽減になる副産物まであります。
特によく医療機関を利用する人の場合はより効果的でしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
「医療費負担が増える!」
と憤慨する気持ちも分かりますが、こうして調べてみると案外悪くないと思いませんか。
懸念点として、今後この負担が増え続ける点。
そしてメリットをしっかりと享受できる運用体制が確立されるかどうかが気になりますね。

なにより将来的には健康保険証を一律廃止し、マイナンバーカードに機能を移管するといった可能性もゼロではありません。
こうした将来を見据え、早いうちに「マイナ保険証」への切り替えを行うというのもありなのではないでしょうか。
まずはその第一歩として、マイナンバーカードを入手しましょう。

マイナンバーカードの入手はこちらの専用HPより

 

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