電動キックボード、モペット、電動アシスト自転車、原付
これらを見分けることがあなたはできますか?
原付はもちろん、電動アシスト自転車においても街にでれば当たり前のように見かけるようになりました。
これに加え、最近では電動キックボードやモペットといった新たな乗り物も登場するようになりました。
いろいろな名称が使われていますが、果たしてなにがどう違うのか気になったことはないでしょうか?
特に昨今ではこうした乗り物の事故やニュースをよく目にするようになりました。
なぜ事故が行ったのか、そしてどうすれば事故に巻き込まれないように注意すべきか。
被害者になることはもちろん、知らず知らずのうちに加害者とならないようこれらの違いや交通ルールをしっかりと守りましょう。
この記事ではこれらの乗り物の定義を確認しつつ違いを見極め、事故にあわないようポイントをまとめました。
・各乗り物の違い、定義について
・被害者、加害者にならないために必要な知識
同じようで違う乗り物
まずは自身の認識と齟齬が無いようにあらかじめ確認しましょう。
原付
原付、正式名称『原動機付自転車』。
原付に関連する法律として『道路交通法』『道路運送車両法』の2つが該当します。
前者においては総排気量50cc以下の原動機を備えた二輪車。
後者においては125cc以下の原動機を備えた二輪車。
と定義されています。
ここでは総排気量の低い前者の定義(より条件が厳しい)を採用します。
50ccの最高速度は時速30kmです。
よって大雑把に言って島江が
原付とは時速30kmで走行できる動力を持ち、タイヤを二つ備えた乗り物
となります。
当然ながら免許、ヘルメット着用が必須となり歩道は走れないなど、当たり前のルールを遵守しなければなりません。
電動アシスト自転車
読んで字のごとく、これが電動アシスト自転車となります。
モーターによって走行を補助することで搭乗者がペダルをこぐ際の負担を減らしてくれます。
ということです。
そのため、電動アシスト自転車は一定の速度に達すると、このアシスト機能が解除されます。
具体的には
11km以上になると速度が上がるにつれアシスト効果が減り、24kmに達するとアシスト切れ
とはいえ、バッテリー等、通常の自転車と比べ重装備のためこれ以上に速度を出すとかえって体力を使うため、電動アシスト自転車を使用する意味が失われてしまいます。
あくまでも自転車の延長のため、自転車と同じルールが適用されます。
注意点として、2023年4月よりヘルメットの着用が義務化されたことです。
これは通常の自転車はもちろんのこと、電動アシスト自転車にも適用されます。
とはいえ努力義務のため、未着用であることで罰せられることはりません。
しかしそこそこの速度で出ており、かつ重量のある車体、さらに子供を乗せているシチュエーションが高い
電動アシスト自転車においてはヘルメットは着用すべきでしょう。
遠くない将来、努力義務ではなく完全義務化される可能性もあります。
電動キックボード
さてここからは少々こんがらがる電動キックボードです。
キックボードに電動モーターがついた乗り物です。
キックボードの利用がより身近になります。道路交通法改正に伴い、今後2年以内(2022年4月現在)に利用規制が緩和されることになりました。これにより免許が不要など、利用ハードルが一気に下がります。今回の変更点及び、現在のキックボード[…]
これだけであればシンプルなのですが、ここに車体の装備や性能が違うことによりその扱いは大きく変わります。
2023年7月の法改正により、電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」または「特例特定小型原動機付自転車」に区分されました。
前者は最高速度20kmで車道を、後者は6kmで歩道を走行するよう区分されます。
よって電動キックボードとは
電動モーターにて最高速度20kmまで出せるキックボード
といえるでしょう。
さてこの改正により、電動キックボードが免許不要(それ以上は免許が必要だった)となり、16歳以上であれば誰でも運転が可能となったのです。
交通ルールは原付と同様であると考えてください。
左側通行、二段階右折、各道路標識の遵守といったところです。
気になるヘルメット着用については努力義務となります。
車道を走る以上、義務としたいところですがまだまだ普及率が低い現在、気軽の乗るためにもある程度緩和せざるを得ないのが現状ではないでしょうか。
一方でしっかりと守らなければならないこともあります。
それが『ナンバープレートの必須です』。
改定前から変わらずナンバープレートは必要となります。
これを知らずにナンバープレート未取得で走行すればたちまち違反になってしまいます。
さてキックボードの事故や事件が多いのはなぜでしょうか。
それには『搭乗者の無知』があげられるでしょう。
上記のような交通ルールを知らず、気軽に乗ってしまったという背景があるのではないでしょうか。
特に今回の法改正時に大々的に『免許不要』という言葉がひとり歩きした結果、
無免許のユーザーが無知な状態で乗ってしまった、可能性があります。
名古屋市で発生した電動キックボードによるひき逃げ事故についてもこうした背景があったものだと推察されます。
この事故は道路を歩行していた男性にキックボードが接触し、そのまま搭乗者が逃げてしまった、という内容です。
被害者の男性は大けがを負い、搭乗者後日逮捕されました。
この際以下のことが判明しています。
電動キックボードの当時の速度は20km以上だった。
一方通行の道路を逆走していた。
免許を不要と認識していた。
このようにルールを知っていれば防げた事故だったのではないでしょうか。
加えて、この電動キックボードの購入先がインターネット経由だったことが不幸な結果を招いた要因のひとつといえるでしょう。
店頭で購入する場合と異なり、インターネットの場合は店員とのやりとりなど必要とせず購入できてしまいます。
以上のように被害者、加害者にならないためには
・車道、歩道に限らず電動キックボードが走行する可能性があることを念頭におく
・20kmしかでないではなく、20kmも速度が出るという危機感をもつこと
・従来のキックボードと同じという甘い考えを持たない(=原付と同じ乗り物と認識する)
モペット
最後にモペットです。
モペットとは、モーダーとペダルがついた二輪車となります。
モペットは法律上、原付に扱いとなります。
よって
それはモーターだけで走行でき、かつ原付以上に最高速度を出すことができるからです。
ペダルがついており、モーターを使用せずに走行することも可能です。
しかし近場合であっても走行できるのは車道であり、もちろん免許も必要です。
ニュースでモペットの事故が見かけた場合、搭乗者は電動アシスト自転車に偽装して搭乗している、または原付という認識をもっていないのどちらかのパターンでしょう。
この他、原付と同じ装備であるブレーキランプやスピードメーターなど自転車には存在しない物々しい装備がついています。
”モーター”と”ペダル”の英単語をくっつけた造語となります。
このためモペットには必ずペダルがついていることを分かっていれば違いは一目瞭然です。
もちろん最高速度からも判断可能ですね。
また、これに加え、ナンバープレートの登録や保険加入などについても認識しておらず、知識不足により発生した事故だと言えます。
そこで被害者、加害者にならないためには
・目視だけでは電動アシスト自転車と見分けることが難しいため、歩道を走行していてもモペットの可能性を想定しておく
・ペダルがついていてもペダルを使用せずに自走していた場合モペットと認識する
それぞれの違い まとめ
項目 | 原付 | 電動アシスト自転車 | 電動キックボード | モペット |
免許 | 必須 | 不要 | 不要 | 必須 |
ヘルメット | 必須 | 努力義務 | 努力義務 | 必須 |
ナンバープレート | 必須 | 不要 | 必須 | 必須 |
最高速度 | 30km | 24km(モーター使用) | 20km | 24km~ |
交通ルールを守り、便利に使いましょう
こうしてみると同じようでも違った特徴がみられます。
それぞれの用途、目的に応じてこれらを使い分ければより生活が便利になるのではないでしょうか。