今回紹介するのは
「水属性の魔法使い」
です。
2025年7月からアニメ化も決定しており、今話題のなろう小説です。
気になる人は是非チェックしてください。
・なろう小説が好き
・ステータスやレベルといったわかりやすい数字の強さ設定は受け付けない
・主人公には無双して欲しいけど強者との熱い展開も欲しい
・剣より魔法が好き
・水属性という変わった属性の魔法に興味がある
・ラブコメ要素は重視しない
・巻数が長い方がいい
・アニメも見たい
概要
2025年4月現在、原作小説は13巻まで発売されています。
漫画化もされておりこちらは6巻まで。
そして2025年7月からアニメ化も決定しています。
異世界転生した主人公『リュウ』が剣と魔法の世界である『ファイ』を舞台に相棒の剣士『アベル』と共に冒険を繰り広げます。
なろう小説では珍しく、準主人公を男性に据えた点が大きな特徴といるでしょうか。
またタイトルにもあるとおり『リュウ』は水属性の魔法使いです。
なろう小説での主人公といえば、無属性や全属性が当たり前。
そんな中『リュウ』は物語開始から、最新刊まで新たな属性を覚えることなく終始一貫しての水属性での魔法を使い、強敵たちに立ち向かいます。
『リュウ』にはチートスキルを備えておらず(ただし本人は知らないが『不老』が付与されている)、
水属性魔法をひたすら極めることに終始します。
また魔法使いという概念にとらわれることなく、近接での戦いにも重きを置き、こちらの訓練も欠かしていません。
結果、魔法使い、剣の腕は人間としては最高峰となっています。
とはいえ、この世界にはもう一つの力『錬金術』も存在しており、
この力は戦局を大きく変えるポテンシャルをもつため、初見殺しなど苦戦を強いられる場合があります。
また、魔族、ヴァンパイア、悪魔、堕天使といった人間を超越した存在も登場します。
これらとの戦いにおいては『リュウ』は苦戦を強いられるため、一辺倒な無双は実は多くありません。
同等以上の存在との戦いが定期的に発生するため、熱いバトル描写を希望する読者にはおススメでしょう。
あらすじ
原作小説13巻は3部構成となっています。
1巻~7巻 :第一部 中央諸国編
8巻~12巻:第二部 西方諸国編
13巻~ :第三部 東方諸国編
第一部の中央諸国編では冒険者『アベル』と出会い、冒険者として成長していく話です。
その後、他国との戦争に身を投じ、最終的には『アベル』を国王に押し上げ、新たな王国を築く流れとなります。
第二部の西方諸国編では第一部で敵対していた他国と協力し、新たな大陸での陰謀に立ち向かいます。
『アベル』は国王として国の守護を『リュウ』は西方諸国への遠征となり、別行動に。
終盤では魔人や堕天使といった人外たちとの戦争へと突入します。
第三部の東方諸国編では二部終盤の影響で未知の国、東方諸国へ飛ばされた『リュウ』と『アベル』。
再び二人旅を始めることになります。
なお未確定ではありますが、この後第四部として暗黒大陸編がはじまると思われます。
このためまだまだ物語は続くものと認識ください。
ここが面白い!
・一貫した水属性推し
・主人公だけではなく、相棒も大活躍
・ライトノベルの王道展開をことごとく裏切る(いい意味で)
攻撃魔法としてはあまり強いイメージのない水属性。
これが強力かつ万能感のある魔法として描写されています。
原作者が学校の先生の経験もあるため化学知識が豊富なのか、
物理学や化学の式が多様されています。
『リュウ』が前世でのこうした科学知識を利用して、より魔法に納得感があり”魔法”というあいまいな存在に
方向性の定義を与えることで強力な魔法へと昇華させています。
正直、このあたりの描写については理解できないことが多いものの、説得力のある雰囲気を出しています。
これにより『リュウ』の魔法をみたキャラクターは”水属性すげー”になります。
『リュウ』自体、剣の上でも相当ですが相棒の『アベル』もこの世界では上位の実力者です。
このため『リュウ』一辺倒の戦闘になるだけではなく『アベル』とのコンビ、連携などの描写が多く描かれます。
普段は悪態をつく二人ですが、いざという時には互いに信頼感を持ち、背中を預けます。
このあたりは他の小説にはない珍しい『ダブル主人公』形式ですね。
冒険者ギルドにてギルド登録する際にごろつきに絡まれる。
貴族の女子を助けて、仲良くなる&事件に解決に一役買う。
能力が突如覚醒し、一気に無双する。
ここが気になる
・『リュウ』の言葉遣いが気になる
・『リュウ』のメタ発言が多い
・ヒロインをはじめとした女の子の描写が少ない
主に主人公『リュウ』の関する点が多いです。
『リュウ』を受け入れるかどうかがこの作品を好きになれるかの一つの判断材料ではないでしょうか。
『リュウ』は通常丁寧語で会話します。
ただ地の文や独り言、心情内の描写であっても丁寧語で描写されており、回りくどく胡散臭いような印象を持ちます。
※なれるとこれが自然体であることがわかります
一方相棒『アベル』との会話では言葉は丁寧ですが、小中学生のような稚拙な漫才が繰り広げることが多々発生します。
『リュウ』としては自身と対等に話ができる数少ない存在『アベル』への親愛の証としてあえてこのような話をしているように思えます。
双方は話が進むにつれ、特別な存在、地位になるため周囲との潤滑油としてあえてこのような軽妙な会話をしている、という面もあります。
この他、戦闘描写ではシリアスな面も多々見受けられるため、平和な描写としてこうした会話も必要であるという考え方もできます。
このような必要だからあえてこのような会話をところどころで描写していることは理解できる一方、描写がやや多いため辟易するという点はあります。
この上で『リュウ』はライトノベルのテンプレート展開を望むことが多く、周囲から飽きられる描写が1巻に一つほど発生します。
これはあえてテンプレート展開にしないための前振りとしてとらえることが出来る一方で『この作品はテンプレートは使わない、他の作品とは違いますよ』という
原作者のメッセージのようなものが感じられます(あくまでも私見のため、うがった見方かもしれません)。
なお、実際にはその後の展開は独自のストーリー展開となっているため人によっては気になる要素ではありません。
ライトノベルといえば、かわいいヒロイン。
女性キャラクターが数多く存在し、主人公がハーレム状態となることも珍しくありません。
残念ながらこの作品ではそうした様子が一切なく、ヒロインと目される『セーラ』も第二部以降滅多に登場しません。
第二部以降は『リュウ』が他国を回ることが中心となり、同行者もその都度変則的になります。
このため暫定的に女性キャラが存在することがありますが、登場しては離脱するような流れとなります。
また何より『リュウ』には性欲がないという設定(この設定最近多いですがなぜでしょうか…)があるため、自身から女性を求めることもありません。
こうした要素のため、女性キャラクターの登場は今後も期待できないでしょう。
まとめ
一癖ある作品であることは間違いありません。
しかし王道展開とは別に新境地。
ストーリーに新鮮さを求めるのであれば間違いなくおススメできる作品です。
特に筆者としては第一部が断然おススメです。
もちろん第二部以降も楽しいですが、一つのピークとしては第一部の終盤から第二部の序盤だと思っています。
少々長いストーリーのため、長く楽しみたい人にも合わせておススメしたいですね。
近々アニメの放送も開始されるためまずはアニメをみて、気になるようであれば原作をという流れもありです。
是非手に取ってみてください。