【小説レビュー】『凶乱令嬢ニア・リストン』 ※ネタバレなし

  • 2025年5月17日
  • 2025年5月17日
  • 小説
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今回紹介するのは

凶乱令嬢ニア・リストン

です。

●こんな人におススメ
・圧倒的に肉弾戦が見たい
・「幼女戦記」のような幼女の活躍が見たい
・魔法の概念がない
・レベル、スキルなどの数値化されたステータスが存在しない
・既刊数が10巻以下

概要

・出身:小説家になろう
・レーベル:HJ文庫
・巻数:既刊8巻(2025年5月時点)
・漫画化:済
・アニメ化:未

とある世界の武道家が病弱な少女に転生する物語。
転生前の世界は現在日本ではなく、別の異世界。
かつて神をも殺し、敵なしの存在であった男。
しかし自身より強い強敵についぞ出会うことがなく、心半ばで死す。
この男の魂が別世界の貴族の少女へ身体にのりうつることに。
少女となった男は、自身を育ててくれた家族の事業を助けつつ、
自身も夢である強敵との出会いのため正体を隠し暗躍するのであった。

なろう小説出身では珍しく、HJ文庫からの発売が目を引きます。
このため文庫価格であり、そこまで高額ではありません。

また、転生前の人物が現代日本人ではなく、別の異世界人からの転生というのも特徴ですね。

武道家として強者を求めつつも、家業であるタレント業を盛り上げる、という
二足の草鞋が物語の中心となります。

あらすじ

貴族として生を受けた主人公『ニア』。
本来であれば病で死する運命にあったところ、邪法により異世界の英雄の魂がやどることに。
これによって命をとりとめた「ニア」。
自身が転生者であることを自覚し、彼女の命に報いるため、彼女として育ててくれた
両親のため生きることを決意することに。

このため家業である放送局の業務に従事する。
アナウンサー兼タレントとして放送業を盛り上げることに躍進。
また同時に強者との出会いを求め、かつの力を取り戻しつつ、戦いに投じる。

この世界には魔法という概念がなく、他方、魔法の方な技術が存在する。
戦いにおいては主に肉弾戦となり、一部の強者のみ、”気”という身体能力を向上させる技術が存在する。
その最高峰の使い手である「ニア」。
強者を生み出すために見込みある者を弟子にする一方で歯向かう存在はふるぼっこ。

最新刊8巻においてはこれら二つの目的を満たすため、国をあげて格闘大会を開催することに。
そこにはまだ見ぬ強者を探しつつ、タレントとして放送業を盛り上げることに…。
果たして次巻以降はどうなることか。

 

ここが面白い!

・幼女のよる圧倒的暴力
・放送業という新鮮な描写
なんといってもこの作品の特徴はこれらでしょう。
ともかく「ニア」が強い。
本人いわく転生前には遠く及ばないものの、それでも他を圧倒する戦闘力。
その強さの根底にあるのが”気”という概念。
身体能力を向上させたり、身体を自在に使うことができる技術。
魔法ほどの汎用性はなく、ただ戦う際にのみ利用される力です。
転生後の世界では”気”の概念が全く浸透しておらず、一部の強者のみ使えるのが実情。
その強者にしても”ニア”からすると子供だましのような練度であるため脅威になりません。
”ニア”がこれだと思った強者は次々に弟子し、この”気”を伝えていくことに。
このため弟子たちも次第に世界の強者として名をはせ、巨大勢力となります。
もう一つ。
放送業として邁進する”ニア”。
お家を建て直すため、慣れないタレントとしてお茶の間のアイドルと化します。
こちらは暴力が一切介入できないため、大苦戦。
なろうのよくある「前世の知識、技術を使って無双する」ということもできず、
悪戦苦闘することもしばしば。
このため戦闘面では無双する一方でアイドルとしては駆け出しの”ニア”。
このバランスが一辺倒の主人公無双を生まない、あんばいとなっていてよいですね。

 

ここが気になる

・脅威となる敵がいないため緊張感がない
・戦闘描写が少ない

気になる点としてはやはり”ニア”に比肩するライバルが不在のところ。
完勝が当たり前のため、緊張感がなく、ワンパターン化しているところがあります。
主人公が必ず勝つため安心して読める、という点では満点ですが、緊迫感がないところは今後テコ入れして欲しいですね。

もう1点。
強すぎるがゆえ、戦闘描写が少ない巻も少なくありません。
あっさりと終わってしまうこともあります。
何より描写の大半が放送業であるため、日常描写が多く、刺激が少ないという点は否めません。
このため戦闘大好き、という人には退屈する場面もあります。

まとめ

放送業というなかなかスポットの当たらない点がやはり新鮮でしょう。
いつもとは違うラノベが読みたい。
でもしっかりと熱い戦闘が見たいという人にはぴったりの作品ですね。

 

 

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