今回紹介するのは
「聖者無双~サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道」
です。
・戦闘描写はそこまで重要視しない
・チートスキル大歓迎
・アニメで雰囲気を知りたい
・レベル、スキルなどの数値化されたステータスが好き
・既刊数が10巻以上
・女性キャラは少なくてもいい
概要
『小説家になろう』出身、原作小説は2025年4月時点において11巻まで発売しています。
2023年にアニメ化されている有名作です。
元サラリーマンが異世界転生し、治療士として世界を旅します。
異世界『ガルダルディア』は剣と魔法の世界。
この世界では治療士とよばれる人を治療する専用の職業が存在します。
非常に重宝される一方で、法外な治療費を求めることから人々からは忌み嫌われ存在です。
そんな治療士の名誉、立場を回復させつつ、世界滅亡の危機に立ち向かう、というのが大まかなストーリーです。
主人公『ルシエル』は死にたくない一心で冒険者ギルドに弟子入りし、自身の能力を開花させていきます。
転生時のチートスキルこそないものの『物体X』とよばれるチート相手も愛飲することでチート化します。
ただし戦闘能力については決して高くはなく、むしろ低いぐらいです。
戦闘は仲間に頼り、自身は回復薬に徹するというのが主な戦闘となります。
このため敵を倒す爽快感というのはなく、むしろ地味といってもよいでしょう。
とはいえ、対アンデットなど回復系に弱い敵には無双状態。
また、どんなに強い敵であっても仲間が強く、また死んでいないのであれば即座に回復するスキルをもつためまず負けません。
このため重傷を負う→即材に回復が定番化しており、戦闘における緊張感はありません。
他方、戦闘以外でも治療する描写は多々発生するためここで大活躍→状況が好転するという流れは分かっていても気持ちの良い安心感があります。
あらすじ
主人公『ルシエル』は戦闘能力が低いことから冒険者ギルドにて修行を行います。
その後は治療士ギルドにて治療士の名誉を回復するため、世界をめぐることになります。
この過程で治療士から賢者にレベルアップし、邪神や魔王といった上位存在と相対することに。
ここが面白い!
・治療士として人助けに重きを置いたストーリー
・戦闘において主人公が無双しない
・安易な恋愛描写がない
物語当初は治療士という立場は嫌われる存在であったが、めげずに人助けにあけくれる『ルシエル』。
その努力を報われるように徐々に『ルシエル』と考えを同じくする集う仲間。
助けられない命も存在する一方で助かる命。
戦闘描写での無双する作品は数あれど、人助けを主とする作品は決して多くありません。
ここが非常に新鮮であり、切ったはったでは得られない爽快感があります。
1巻などまるまる修行パートです。
その後も合間あいまに修行することになります。
このため登場する人物は師匠やむさくるしい男性キャラが多く登場します。
結果、女性キャラの登場が少なく、『ルシエル』との恋愛をにおわす描写は必然少なくなります。
『ルシエル』自身もそこまで女性を求める欲求がなく、他方『ルシエル』に想いをよせる女性はたびたびでてきます。
そこに安易にほだされることなく、ドライに接することもしばしば。
しかし気になる女性に対しては真摯に思い悩み、好青年としての交換をもてます。
ここが気になる
・主人公『ルシエル』が小さなことでぐちる
・主人公『ルシエル』の性格がドライ
・物体Xが便利すぎる
都合の良いことはなんでも”運がよかった”で片付けらてしまうため、
物語の都合的には大変便利。
ご都合主義といわれてしまえばそれまでだが、困ったら運がよかった、という言い訳で済んでしまいます。
チートスキルはないといいつつもご都合的なスキルとしてなんでも解決してしまうのが少し気になりました。
あげつらうことはしないが、心の中で愚痴ることが多いです。
元々やりてサラリーマンということで損得勘定をしっかりとしているのか、
ダメな相手には厳しく接する傾向にあります。
また、元の世界の性格、倫理観にある程度準じている一方で、
目的のためなら手段を選ばないドライな点が見られます。
例えば奴隷制度が当たり前の世界で奴隷を使役することに抵抗がなく、
自身に利する存在でなければ助けない、ということも多々あります。
柔軟性が高いといえばそこまでですが『ルシエル』の判断基準がよくわからないことがあります。
まとめ
戦闘での無双はもう飽きた!
という人にはおススメの作品です。
他方、治療士という立場から人の生き死ぬについての緊張感が高くなく、良くも悪くも抑揚のない作品ともいえます。