最低賃金、過去最高引き上げへ 気になる引き上げ額、タイミングはいつ? 

2022年は最低賃金が大幅に引き上げとなる。
労働者にとっては久しぶりの嬉しいニュースが飛び込んできました。
果たしていくら引き上げとなり、それがいつから適用されるのでしょうか。
労働者の皆様は自身が現在キチンと最低賃金をもらえているのか、そして今後どれほど変わっていくのかを是非チェックしてみてください。

全国平均31円の引き上げ、早ければ10月より引き上げへ

2022年における最低賃金の引き上げ額は31円を目指しています。
これが実現すれば全国平均における最低賃金は961円となります。

最低賃金の引き当ては毎年改定されています。
6,7月頃より有識者による引き上げ金額の目安が提示され以降都道府県ごとに審議されます。
そして気になる引き上げ時期ですが、例年通りであれば10月頃より改定額が適用される流れです。

適用されれば厚生労働省の名のもとに人を雇う企業としてはそれを遵守しなければなりません。
そのため労働者はもちろん、経営者にとっても死活問題としてこの時期注目されるニュースとなっています。
※最低賃金の詳細は厚生労働省HPを参照ください

キーワードは物価上昇、コロナ禍

今回の引き上げ金額は過去最大となります。
※2021年は28円の引き上げでした
その理由として物価上昇とコロナ禍というダブルパンチがあげられます。
食べ物から日用品にかけて何でも値上げが続く昨今。
そして引き続きコロナ禍による経済活動の低下。
この2点を考慮しての最大引き上げとなりました。

最低賃金を決めるのはお住い地域の人口、生産性

さて、気になるのは引き上げ金額の算定方法です。
引き上げ額の目安については労働者、経営者、大学教授など有識者が集まり決めることになります。
そしてこれを目安に都道府県別に実際の引き上げ金額を算出するのです。
この際、都道府県にはA~Dのランクに分かれておりこのランキングごとにおおよその金額が決まります。
Aが最も引き上げ額が高く、Dが最も低い金額となります。
2022円の場合、A、Bランクの場合は31円、C、Dランクの場合は30円となりました。

Aに所属するのは東京都、大阪府、愛知県といった人口と産業が多い地域となります。
一方Dに所属するのは青森県、岩手県、鳥取県、熊本県、大分県といった人口、産業共に少ない地域が該当します。
つまり人口や産業が多い(=地価、物価が高い)ほど生活費がそれだけ多く必要となるため、引き上げ額も高くなる傾向にある、という理屈です。
ただしこのランク分けについても現状と齟齬が発生する場合もあります。
またこれ以外の要素によって引き上げ金額が変動する場合があります。

先日判明した熊本県の2022年における引き上げ額は32円となりました。
熊本県はDランクにもかかわらず東京都の31円を越えた大幅な引き上げとなります。
その理由とし、全国平均を大きく下回り現状の是正及び、2016年に発生した熊本地震への復興という点が配慮されています。
熊本県の現在の最低賃金は821円です。
これは全国で3番目に低い(同列賃金は複数の県が該当します)賃金となります。
そして全国平均が930円のため、100円以上も下回っている状況です。
さらに地震発生から日が浅いことからせめて金銭面だけでも手当すべきという考えがあったようです。

このように目安はあるものの、都道府県の事情によっては引き上げ額が変動することがあります。

都道府県別の現状について

ここからは2021年現在における都道府県別の最低賃金を金額の高い順にランキングしています。
まずはご自身のお住いの最低賃金をしっかりチェックしましょう

順位都道府県最低賃金
1東京都1,041
2神奈川県1,040
3大阪府992
4埼玉県956
5愛知県955
6千葉県953
7京都府937
8兵庫県928
9静岡県913
10三重県902
11広島県899
12滋賀県896
13北海道889
14栃木県885
15岐阜県880
16茨城県879
17富山県877
17長野県877
19福岡県870
20奈良県866
20山梨県866
22群馬県865
23岡山県862
24石川県861
25新潟県859
25和歌山県859
27福井県858
28山口県857
29宮城県856
30香川県848
31福島県828
32島根県824
32徳島県824
34青森県822
34秋田県822
34山形県822
38大分県821
38岩手県821
38愛媛県821
38鳥取県821
38長崎県821
38佐賀県821
38熊本県821
38宮城県821
38鹿児島県821
46高知県820
46沖縄県820

いかがでしょうか。
やはり東京都がトップの金額。
それに続き東京都周辺地域や三大都市といった順位です。
最下位委の高知県、沖縄県と比べ200円以上の開きがあるのは地域格差といえるでしょう。
こうした地域の格差を是正するため毎年改定があるのですがなかなか縮まらないのが現状です。

さて最低賃金を下回っている、という方はいませんか。
最低賃金の定期要は雇用体系に関係なく適用されます。
即ち、正社員であろうとアルバイトであろうと変わりません。

もし最低賃金を下回っている場合には不足分を請求する権利があります。
まずは本当に最低賃金を下回っているか、計算してみましょう。
最低賃金を計算するに場合、人によってさまざまなケースが考えられます。
まずは厚生労働所のHPを参照のうえ、現状についての確認をおススメします。
その後給与を支払っている企業、担当者に相談してください。
そのうえで解決しない場合には最寄りの労働基準監督署に相談です。

まとめ

いかがだったでしょうか。
30円とはいえ、引き上げには変わりありません。
なんでも値上げする昨今。
賃金もそれに合わせてしっかりと引き上げて欲しいものです。
一方で引き上げ額が大きいということはそれだけ物価上昇といった経済へのマイナス要因が発生していることの裏返しです。
果たして今回の改定がどれほど効果があるのかはわかりません。
それでも最低賃金がいくらであるか、ということを意識するよい機会でもあります。
これを機にしっかりと今の自身の待遇について見直してみるのも良いでしょう。

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