とわれる千羽鶴の意味、過去にはウクライナから日本へ送られた経緯があった

  • 2022年4月19日
  • 2022年4月19日
  • 社会
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ウクライナへ千羽鶴を寄贈する件について、国内では賛否が分かれています。
そこで改めて注目したいのが、千羽鶴を折る意味です。
平和の祈りを込めたものとして知られる千羽鶴ですが、なぜこのような意味を持つようになったのでしょうか。
千羽鶴にまつわるルーツについて調査しました。
それに加え、千羽鶴が世界にどれだけ認知されているのかも合わせて調査しています。
驚くべきことに、なんと過去にはウクライナから日本へ千羽鶴を送ったことがあったのでした。


日本人であれば千羽鶴が平和や支援、応援といった意味を持つ善意の象徴という認識があります。
しかしそれが世界となればどうでしょうか。
海外へ千羽鶴を寄贈した場合、その意味を知ったうえで受けてってもらうことができるのできるのか、気になるところです。

千羽鶴とは

千羽鶴とは、折り紙が作った鶴を1,000羽作りそれを束ねた総称です。
日本では親しい人が入院した際の見舞いの品として有名ですね。
また、昨今では国内で頻発する天災被害にあった被災地への復興支援、祈願として善意のある人々より送られます。
なお千羽鶴と呼ばれていますが、正確に1,000羽が必須というわけではないようです。
日本大百科全書によればここでの”千羽”とは多数という意味のため、ある程度の数がそろえばそれを千羽鶴なのです。
千羽と呼称するのは瑞鳥(縁起の良い鳥のこと)である鶴が多数いれば吉となる意味があるからです。
なお、”千羽鶴”という考えについてはその起源ははっきりしていません。
1800年代には既に千羽鶴、という呼称が存在していたようです。

千羽鶴のルーツ

さて今でこそ千羽鶴とは平和の象徴という認識が広まっています。
しかし元は前述したように元々は祈願や見舞いといった意味が強く、平和の象徴とは少しズレたものとなっています。
平和の象徴として広まったのには、広島のとある少女がきっかけとなりました。
その少女は原爆にて被爆した佐々木禎子さん(当時12歳)です。
当時入院していた際、回復を願って鶴を折り続けていましたが、若くして亡くなられました。
この事実を知った多くの人の尽力により平和記念公園内(広島)にて「原爆の子の像」が建てられたのです。
その後、この話が世界に広がり、国内外より折り鶴が捧げられるようになりました。
※広島市HPより
このような経緯を得て、千羽鶴イコール平和の象徴と結び付けられるようになったのです。

ウクライナから日本へ送られたことも

前述のような経緯により、千羽鶴は世界でもその意味を多くの人が知ることになりました。
この他、千羽鶴を世界に認知するために一役買ったイベントなども複数存在します。
2017年には沖縄市民平和の日記念行事にて、最も長い折り鶴レイを作成したことでギネス世界記録を達成しました。
この他2010年には100羽の鶴を折る速さを競う世界記録にオランダ人の方が挑戦しています。
結果、54分という従来の記録を大きく塗り替える快挙を達成しました。
また、現在渦中となるウクライナでは過去、日本へ千羽鶴を送った経緯もあります。
東日本大震災によって被災した当時、ウクライナ日本センターを中心に千羽鶴が送られてきたのです。
ウクライナだけではなく、多くの国々より同様の動きがあり、日本は大変励まされたとのこと。
こちらの詳細はエピソードについて下記外務省のサイトより是非ご確認ください。
外務省「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード週)

このように千羽鶴とは世界中の多くの人が認識していることが分かりました。
よって、仮に千羽鶴を海外に寄贈した場合でもその真意、気持ちはきっと伝わることでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回ウクライナへ千羽鶴を送る点についてはさまざまな意見があるかと思います。
意見は人それぞれですが、想いはきっと誰もが一つ、平和を望むことです。
こうした事態になったことは残念ではある一方、今回の騒動を通じて千羽鶴についてその意味、あり方を改めて見つめなおす良い機会だったのではないでしょうか。
いづれにしても人が傷つかない未来が一刻も早く来ることを願うばかりです。

  • 千羽鶴には祈願、見舞い、平和の象徴という意味がある
  • 千羽鶴が平和の象徴となるきっかけは被爆した一人の少女
  • 千羽鶴は世界でも多くの人がその意味を知っている


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