【行きたくない人必見】社員旅行は時代錯誤? 旅行を求める会社の実態とは 

入社した会社で社員旅行があると聞かされた場合、皆さんはどういった反応をしますか。
単純に楽しみ、嬉しいと思う人は少数ではないでしょうか。
多くの人、特に若手であるほど、行きたくない傾向にあるでしょう。
入社説明会や面接では社員旅行があるなど一切聞かされず、いざ入社した後に「実はありました」とカミングアウトされることも珍しくありません。
会社としても社員旅行がマイナスのイメージだることはある程度認識しているようです。
ではなぜ社員旅行というイベントが令和になった現代でも残っているのでしょうか。

筆者の過去の経験より社員旅行の実態について解説したいと思います。
社員旅行に参加しないためのベストは断り方についても紹介します。

なお筆者は社員旅行については二度と行きたくない派です。

社員旅行とは

社員旅行は従業員同士で旅行することです。
会社のイベントの一環として組み込まれており、会社によっては福利厚生の一部としてアピールする場合もあります。
旅行の主な目的は、社員同士の交流、仕事の合間のリフレッシュの2点です。
仕事以外の面で従業員同士が接することで、新たな一面が見ることができます。
特に泊りがけの旅行ともなるとその人のプライベートな姿を垣間見ることができるでしょう。
これによって従業員同士の絆や連帯感が深まり、業務を円滑に行うことを目指します。
また会社側が日頃仕事に忙殺される社員に対して労う気持ちから旅行が計画されることがあります。
旅行について反対意見を持つ人であってもこうした言い分については納得できるのではないでしょうか(効果のほどは別として)。

旅費は自腹?それとも経費?

社員旅行と聞いて真っ先に心配となること。
それが旅費です。
会社によっては福利厚生の一環として、太っ腹な会社の場合は全額負担してもらえることがあります。
全額ではないものの、半額や一部といったところも多いことでしょう。

筆者の場合過去2社において旅行が実施されました。
1社目の場合は、1人あたり10万円の補助です。
10万円も補助がでるのか、と驚くかもしれませんが、実は負担額のほうが圧倒的に大きいのです。
個々の会社の場合、行き先が海外。
特にヨーロッパに行くことが多く、残念ながら10万円の補助があっとしても、自腹のほうが圧倒的に重いのです。
2社については全額自費でした。
1年のはじめに毎月3,000円が徴収されます。
これを約1年近く貯め、近隣の県へ1泊2日の旅行が組まれます。
年によってはコテージでキャンプのようなこともするため安上がりで済む場合もありました。
1社目と比べ、自腹の負担はさほど大きくないものの、全額負担する、という点で釈然としない思いがあります。
特に1社目と異なり、2社目については参加がほぼ強制となっていました。
筆者が入社した当時の2010年頃ではまだまだパワハラといった言葉が浸透していない時代でした。
昭和ほどではないにしろ、上司からの命令について業務外(主に飲み会)でも発揮され、その延長に旅行への参加がありました。
行きたくもない旅行にも関わらず、自腹を切ってまで行かなければならない。
これは当時だからこそギリギリ許されていたことでしょう。
時代と言い切ってしまえばそれまでですが、理不尽なことだったと今でも思います。
強制参加であるならばそれこそ強制する人(会社)が全額負担すべきではないでしょうか。

旅行は業務に含まれる?

続いて気になるが、旅行が業務に含まれるか、です。
会社によっては平日に旅行を敢行し、その間を出勤扱いとする場合もあります。
この場合はまごうことなく、業務の扱いです。
一方で業務時間外に旅行に行く場合はどうなるのでしょうか。
筆者の場合、1社目については平日での旅行であり、出勤扱いとなっていました。
一方2社目については1泊2日であることから、土曜日の午後から出発です。
この会社は午前中に限り土曜出社がありました。
そのため、午前は仕事、午後はそのまま旅行となっていたのです。
ただでさえ仕事の疲れが出る週末、それも土曜の午後から出発はなかなかこたえるものがありました。
何より帰宅も日曜の夜のため、全く休んだ気がすることなく翌日には出社するのです。
土日を使用するため、このパターンについては業務とはなりません。
よって1社目と異なり、仕事をさぼって旅行にいけるというメリットは存在しないのです。
このように2社だけであっても旅行の扱いにここまで差がでます。
そのため旅行が業務に含まれるかどうかは会社次第、といえるでしょう。
そのため業務に含まれない場合については、旅行への参加は自由意志です(もちろん業務に含まれ場合であっても参加するかどうかの自由意志は本人にあります)。
にもかかわらずここの会社は半強制という理不尽な扱いとなっていました。

社員旅行のメリット、デメリット

ここまで読んでやっぱり行きたくないと思ったあたな。
確かに社員旅行にはデメリットが多々あります。
しかしまずはメリット面についても確認したうえで、最終的に行くべきかどうかを判断してはいかがでしょうか。

<メリット>

  1. 会社負担で旅行ができる
  2. 従業員同士の交流を図れる
  3. 仕事として旅行に行ける

1.会社負担で旅行ができる
前述したように会社によっては旅費を会社が負担してくれる場合があります。
旅行好きであればそれだけでもメリットではないでしょうか。
また、旅行は好きだけど、計画を立てるのが面倒。
そんな人であっても他の社員がやってくれるので自身は当日の持ち物を用意するだけ大丈夫です。
※計画を立てる担当となった場合にはその分苦労しますが

2.従業員同士の交流を図れる
なんといってもこれに尽きます。
普段仕事の時間でしか付き合うことのない社員との交流が図れます。
一緒に仕事をしたことがない人に接触するチャンスでもあります。
旅行に行きたくない、面倒、などと直前まで思うことはよくあります。
しかし気に合う仲間同士での旅行というのは終わってみれば楽しい時間だったと思うことができます。

筆者の旅行に行くまではひたすら面倒に感じていました。
しかしいざ始まってみると、なかなか楽しいものです。
旅行が終わった後、数日経てば行ってよかったと思い出話に花を咲かせることができました。
普段は見られない上司や後輩、同期の姿を見ることでより絆が深まり、仕事をする際にもしっかりと連携が取れるようになったと実感もできます。

3.仕事として旅行に行ける
こちらも会社によりますが、平日での開催であれば、出勤扱いとして旅行に行くことができます。
仕事が苦痛と感じている人であれば、旅行に行く方がマシ、と思う人も多いことでしょう。
仕事と割り切って行けば抵抗感も薄れるのではないでしょうか。
その旅行先やイベントが自分の興味のあるものであればむしろ積極的に参加したくなることでしょう。
行き先や内容については従業員の意見を反映することが多いため、行くことになれば少しでも自分が楽しめるプランを提示することをおススメします。

<デメリット>

  1. 旅費がかかる
  2. 土日など休日開催の場合、プライベートの時間が割かれる
  3. 旅行明けの疲労度が大きい
  4. 他の従業員に自身のプライベートな姿をさらす
  5. 余興を強いられる

1~3については前述のとおり、会社ごとによりその程度はさまざまです。
旅費は会社持ち、平日開催。
さらに旅行明け翌日の休暇がOK、というのであればこれらのデメリットはほぼないことでしょう。

4.他の従業員に自身のプライベートな姿をさらす
いくら旅費が負担され業務扱いとなったところでこの問題は避けられません。
泊りがけともなれば普段仕事では見せない姿を他の従業員に見られる可能性があります。
特に他の従業員に対して意識的にキャラを作っている人であれば本当の姿をさらす危険性があります。
そもそも社員旅行に行きたくないという人は少なからずこうした人に見せたくない姿がある人が多いのではないでしょうか。
これこそが社員旅行における最大のデメリットかもしれません。

5.余興を強いられる
社員旅行を開催するほどの会社ともなれば、余興を求める社風ではないでしょうか。
特に若手ともなれば、何かしら宴会の際に準備しなければなりません。
もっとも、令和の現在、こうしたことを強制することは立派はパワハラに該当するため、多少はマシになっているかもしれません。
筆者の場合「代々若手が行ってきた伝統だから」。
という理由だけで強制された過去があります。
プロの芸人でもないのに何を求めているのか。
1つ上の先輩などは自身が過去に経験したためか、守るどころかむしろヤレという圧力をかけてきたことを今でも覚えています。
しかしこの先輩としても上司からの圧力があってのことだったのかもしれません。
自身が嫌だったことを後輩にもやらせる文化、いい加減無くなってほしいですよね。
ちなみに後に筆者に後輩ができた時、そもそも旅行に参加するかどうかについても本人の自由意志に任せました。
その結果、その後輩は旅行に参加しませんでした。
そして参加しなかったからといって特に上司から恨まれる、といった業務への影響もありませんでした。
この後輩の場合そもそも、物事をはっきりと主張するタイプであり「こいつだった何言っても許される」といったキャラだったのが大きな要因でしょう。
世渡り上手とはまさにこのような人だと実感したものです。

社員旅行を求める人は一体だれなのか

デメリット面のほうが大きく、行きたくないという気持ちは納得できるものかと思います。
一方で令和の現在でも社員旅行が完全に無くならないのはなぜでしょうか。
それは旅行を求める人が存在するからです。
ではどういった人なのか。
それは飲み会が好き人の50代以上の年配の方です。
筆者はかつて社員旅行の企画係を経験したことがあります。
その際、行き先ややりたいことのアンケートを事前に取りました。
その結果、上記にあげた人ほど具体的な希望があがってこなかったのです。
そしていざ旅行当日の様子をみると、楽しんでいるのは夜の宴会だったのです。
そう、結局のところ旅行というのは建前であり、夜通しどんちゃん騒ぎしたい、というのが目的なのです。
もちろん楽しみ方は人それぞれですし、実際に飲み会はなんだかんだで楽しかったりします。
特に次の日のことを考えずに飲めるというのは旅行ならではの経験でしょう。
こうした人たちの気持ちも分からなくはありませんが、そうでない人にとってはたまったものではありません。
旅行を企画する側としては旅行先での観光や体験などについても楽しんでもらいたいとうのが当時の本年でした。
宴会以外のところで覇気のない姿を目撃した時にはショックを受けたものです。
何のため、誰のための旅行であるのか、この時ほど疑問を持ったことはありませんでした。

旅行を断る上手なテクニック

ここまででそれでも旅行に行きたくない。
そう思っている人もいることでしょう。
ではどうすれば波風立てずに旅行を断ることができるのか。
それには以下の3パターンの方法があります。
これらは筆者が過去に目撃した友好的な断り方です。

  1. 断ることが許されるキャラとなる
  2. 仕事を盾にする
  3. 体調不良をアピールする

1.断ることが許されるキャラとなる
前述した後輩はこのパターンでした。
この後輩は日頃よりマイペースに業務をこなし、周囲の意見に流されない性格をしていました
何より仕事はキッチリできていたこともあり、旅行への不参加を表明した時でも誰も反対することはありませんでした。
こうしたキャラは意識してなることは難しく、また日頃より準備しなければならないため、ハードルは高いといえるでしょう。

2.仕事を盾にする
旅行には行きたいけどやむを得ない理由により泣く泣く不参加、というのが理想の断り方です。
例えば旅行当日が平日であった場合、会社によっては全員参加が難しい場合があります。
そのため誰か会社に常駐する必要がある場合、積極に立候補しましょう。
特に有効なのが直近で社員旅行を経験した人です。
前回は行けたため、今回は自分が犠牲になる、というていでいくとよいでしょう。
うまくすれば日頃たまっている仕事を誰にも邪魔されずにこなすチャンスでもあります。
他の人からは感謝されるうえ、お土産も期待できます。
しかしこうしたおいしい役割であるため、旅行に行きたくない人同士での競合は避けられません。
そのためこれも確実な対策とはいえないでしょう。

3.体調不良をアピールする
これが筆者の経験上最も簡単かつ、有効である方法です。
当日に体調不良でドタキャンする、というのではありません。
日頃より「アルコールに弱い」「乗り物酔いがひどい」などをアピールするのです。
筆者の場合は実際に乗り物酔いがひどく、特にバスでの移動となると目的地に到着した当日はずっと寝たきりとなってしまいます。
ここまで極端でないにしろ、少しでもこうした移動の過程や移動先において体調が悪くなる要素があればそれを盾にして断ることができます。
「カニ食べ放題」などは社員旅行の定番ではないでしょうか。
人によってはアレルギー持ちのため、旅行に行けたとしてもちっとも楽しくないでしょう。
こうした体調面に即した「行けない要素、行けたとしても楽しむことができない要素」を見つけた断る方法が有効です。
仮に日頃よりアピールしていなくても、旅行先、目的が決まった段階で「実は…」と切り出しても不自然ではありません。
それが本当であれば理想ですが、多少の嘘も方便でしょう。
注意すべきはここで断った理由について今後もその設定を守り続けることです。
カニアレルギーと偽ったにもかかわらず後日他のところでカニを食べている、ことになれば嘘がばれてしまいます。
これに注意することができれば使用できるシチュエーションが限定されるものの、有効は一手と言えるでしょう。

まとめ

いかがったでしょうか。
やはり、行くこと以上に行かないよう理由の方が大きかったかもしれません。
しかしそれでも社員旅行というのは決して悪ではありません。
当初の目的通り、従業員同士の交流としては有効です。
また何より、社員旅行を続けられる会社というのはある意味安心できる企業です。

このご時世、不要な社内イベントはどんどん削れています。
そんな中、呑気に旅行に行けるというのは業績が安定している証なのではないでしょうか。
そのため企業説明会の際、社員旅行があると説明された場合はある意味安心ともいえるでしょう。
逆に、危機感のない会社という可能性も否定できず紙一重な部分もありますが。

この記事を読んで少しでも社員旅行に行きたくなった、という人がいれば幸いです。
逆にやはり行きたくないと思った方については断る際の参考になればと思います。

  • 社員旅行は従業員の交流を図るには最適
  • 旅費の負担や業務扱いかどうかは会社次第
  • 社員旅行を求める人は飲み好きの50代以上が多い傾向にある
  • 行きたくない場合にはしっかりと断る準備をする
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