サントリー ペットボトル飲料に値上げへ

サントリーがペットボトル飲料の値上げを発表しました。
2022年10月より20円の値上げとなります。

値上げ対象の商品とその背景、今後の影響についてまとめました。

値上げラッシュ

2022年に入り、値上げラッシュが止まりません。
エネルギー資源や飲食など生活に影響が出る値上げが目立っています。

ペットボトル飲料の値上げと言えば、コカ・コーラが2022年5月より先んじて値上げを開始しています。
該当する商品は大型ペットボトル(1.5L、2.0L)に限っています。
しかし人気の商品である「コカ・コーラ」や「ファンタ」、「綾鷹」人気の銘柄のため、消費者への影響が懸念されます。
5~8%の値上げといえども常飲する消費者にとっては大きな痛手であることがうかがえます。

今回はサントリーはこれに追随する形での値上げとなります。
果たしてその背景、このタイミングで踏み切ったのには何か理由があったのでしょうか。

値上げの理由は

サントリーは値上げに理由について以下のように発表しています。

世界的な需給ひっ迫、および昨今の円安の急激な進行を受けた原材料市況の高騰、リサイクルPETボトル等サステナビリティ取り組みに対するコスト上昇など、製造原価が大幅に悪化しており、企業努力だけでは吸収できるレベルを超えております。また、今後も先行き不透明な状況が続くことが予想されるため、このたび、やむを得ず一部の商品について、下記のとおり価格を改定させていただきます。

サントリーHP『サントリー食品インターナショナル株式会社国内一部商品の価格改定について』より一部抜粋

コカ・コーラ同様、原材料の高騰のため、やむ負えない判断だったようです。
やはりどの企業でも原材料の価格高騰には頭を悩ましているようです。
特にペットボトルは石油からつくられるため、昨今のエネルギー不足問題に直接影響が出ます。
さらに環境問題の観点よりペットボトル削減の強いられる現在。

その立場はより苦しいものとなっています。

※プラスチック削減問題についてはこちらの記事を参照ください

【2022年4月施行】ホテルのアメニティグッズが有料化?「プラスチック資源循環促進法」とは

10月より値上げを予定していますが、これらの課題がそれまでに解決することが難しいとの判断だったのでしょう。
今後も長期化することが考えられるため、少しでも早めの決断が必要だったものと推測されます。
それでも今すぐに値上げに踏み切らなかったのも、消費者への影響が大きいことをおもんぱかったことでしょう。
先送りには違いありませんが、サントリーとしてはこのタイミングが最大限の譲歩だったのかもしれません。
この値上げが発表される数日前にサントリーは2022年12月期 第1四半期決算を発表しました。
連結決算において売上、営業利益は前年比越えの増益となっています。
こうした背景もあり、値上げの先延ばしに繋がった可能性があります。

値上げされる商品は

気になるのは値上げされる商品です。
サントリーは対象商品を「ペットボトル及びボトル缶商品 ※一部商品を除く」と発表しています。
つまりはコカ・コーラのようにペットボトルのサイズに関係なく、一部商品を除いたほぼ全ての商品が対象とのこと。
値上げ価格は「メーカー希望小売価格を6~20%アップ」のため、おおよそ20円となります。
値上げ商品の一例は以下の通りです。

<大容量>
・「サントリー天然水」:250円→270円
・「ペプシコーラ」:340円→360円
・「伊右衛門」:350円→370円

<小容量>
・「サントリー天然水」:130円→150円
・「伊右衛門」:140円→160円
・「クラフトボスブラック」:160円→180円

このように人気商品も含めたも例外なく値上げとなります。
たかが20円とはいいますが、小容量のペットボトルなどは人によっては1日に1本購入することもあるでしょう。
その場合この値上げ額がじわじわと負担となることが想像できます。

今後も加速する兆し

気になるは他社の動きです。
コカ・コーラ、サントリーと大手業界が値上げに踏み切ったことでこれに追随する企業も今後出てくることでしょう。
そして値上げされた価格が今後は当たり前の基準となり、国内で浸透することになると予想されます。
一度値上げした商品は今後容易に値下げすることは困難です。
メーカー側の値上げ分については原則消費者側の負担となります。
一方で、スーパーやドラッグストアといった小売り側の努力によって価格を維持するところも出てくる可能性はあります。
コンビニなどではメーカー希望小売価格のまま販売されることはあります。
一方で売り場によっては消費者に負担がかからない場合も期待できるのではないでしょうか。
とはいえそれにも限界があります。
状の価格を維持するためにはもはや何かを買えなければならない時が来たのかもしれません。
メーカー側としてはペットボトルが難しいのであれば瓶や紙パックなど別の容器に変更することで、容器の原材料に左右されない製造体制を整えることはどうでしょうか。
消費者側は安易にペットボトルに頼らず、マイボトルを常備し、量り売りのような手段で飲料だけの購入するといった努力も可能でしょう。
こうした変化を起こさないことには今後ペットボトル飲料の価格は間違いなく値上げすることでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
値上げまで猶予があるとはいえ、それはすぐそこまで迫っています。
また他の企業も値上げされることが懸念されます。
こうした事態がきた時、自身の生活に支障が出ないよう今から備える必要がありそうです。

  • 値上げは10月から
  • 値上げ額は20円前後
  • 今後他のメーカーも値上げの可能性あり
  • 値上げは止められないため、メーカー、消費者双方の努力が必要
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