体育座りが子供の身体に悪影響を及ぼす。
腰痛や内臓への負担など、その姿勢が悪いのではないかという話が出てきました。
そのため体育座り止め、椅子を使用する小学校が昨今増えています。
以前当ブログにてランドセルが子供たちの負担になっている、という記事を紹介しましたが今度は体育座りが問題となっています。
なぜ体育座りが身体に悪いのか。
そして対策はどうするのべきなのかを考えてみました。
腰へ負担、内臓圧迫、集中力低下
体育座りといえば、小学校の時に集団で先生の話を聞く際の一般的な姿勢ではないでしょうか。
そのかたちから「三角座り」などともよばれ、日本国内ではお馴染みな姿勢です。
しかしこれによって身体の不調を訴える子供がいることをご存じでしょうか。
主な不調として、腰の痛みがあげられます。
これは主に体育館やグラウンドといった硬い地面に直接腰をかけることが原因です。
これについては自覚症状があることが多く、良く知られているのではないでしょうか。
この他、内臓を圧迫することや集中力低下の原因としても考えられるようになりました。
このように体育座りとは子供たちにとってよくない姿勢として今注目されています。
そんな体育座りですがなぜこれまで長年にわたり行われてきたのでしょうか。
起源不明な姿勢が50年間行われてきた
さて、この体育座りですが、はじまりについて明確にわかっていません。
1965年の学習指導要領の補足資料『集団行動指導の手引き』によって浸透したとも言われています。
そのなかにおいては「腰をおろして休む姿勢」として体育座りの図が描かれています。
ただし”体育座り”という名称ではなくまた手引きにはあくまでも参考事例として紹介されているようです。
そのため明確に体育座りをすべき、という規定事項ではないことがわかります。
とはいえこれがそのまま全国に伝わった可能性が高いようです。
ただし一方でこの手引きが広まる以前においてすでに体育座りの姿勢は浸透していた可能性も否定できません。
多くの子供が最小限のスペースでかつ先生の話に集中できる姿勢として自然のこの形になった、ということもありえます。
確かに膝をかかえ手を使用できなくするといった意味では一定の効果があったのかもしれません。
しかしこれらは教育者側のメリットでありそれを子供たちに押し付けた結果が今回の事態に繋がったのではないでしょうか。
なおこの体育座りは日本国内でのみ行われているようです。
海外ではあぐらをかいたり、椅子を使うことが一般的なようです。
このことからも分かる通り、不合理な姿勢なのかもしれません。
椅子を使うことが有効
では体育座りに変わる姿勢はどうするべきか。
最も有効かつ、簡単なのは椅子を使用することです。
山口県にとある中学校においては2021年より既にこの取り組みを開始しており、その効果があったとの報告があげられています。
こちらの中学校ではパイプ椅子を使用することで集中して先生の話を聞けるようになったとのこと。
椅子を用意するだけで解消できるのであればそれに越したことはありません。
またこの他、根本的な対策として長時間座る姿勢をさせないことも有効でしょう。
体育館で長時間校長先生の話を聞いていると貧血で倒れた友人などはいなかったでしょうか。
結局のところ、話が長いことが要因ともいえます。
重要な話ならば端的かつ短時間で行うのがベストです。
話が長くなるようであれば担任の先生が個別に教室で行ってもよいのではないでしょうか。
または校内の放送を使う、プリントを配布するなど代替手段はいくらでもあります。
まとめ
伝統によってこれまで当たり前に行われてきたことであってもそれは現代にそぐわないことが多くなってきています。
こうしたことは先生からではなく、生徒たちの訴えによってはじめて発覚することが多いのではないでしょうか。
”今までやってきたからこれでいい”というある種伝統の神格は言い換えれば教育者側による思考停止ともいえなくもないでしょう。
子供たちにとって必要な改革であるならば学校側はしっかりと取り組んでほしいところです。
もちろん、学校側だけではなく保護者や周辺地域といった多くの関係者も同じことがいえます。
今後もこうした古き良き伝統が実は悪しきものだったということが出てくるでしょう。
それらに対してひとつ一つ解決すべきであり今回の事例もその大きな一歩だったのではないでしょうか。
- 体育座りは身心に悪影響がある可能性が高い
- 海外では体育座りは行われていない
- 50年以上前から行われているがその理由定かではない
- 椅子を使用する学校が出てきている