2022年1月、大学共通テストの問題が流出し、大きなニュースとして取り上げられました。
大阪府在住の女子大生がテスト中にインターネット電話「スカイプ」を使用し、外部に流出したというものです。
くだんの女子大生はその後、警察に出頭し、騒動は収束しました。
詳細につきましては以前の記事をご確認ください。
今回の事件についてはこれで終了しましたが、当然それだけでは終わりません。
運営側の大学入試センターとしては再発防止策を検討しなければなりません。
騒動より半年が経過し、ようやくその方針が決まったようです。
スマートフォン及びそれに類する機器の持ち込み、使用ルールがより厳格化されました。
今回は決定事項について簡単に3点まとめました。
2023年に共通テストの受験を控えている受験生には今回の決定について是非事前に知っていただきたいと思います。
まずは下記案内をチェックすることをおススメします。
「大学入学共通テストにおける電子機器類を使用した不正行為の防止策について」
監督官の指示でかばんに仕舞う
スマートフォンなど機械機器をしまうのは現状、試験開始前であれば受験生の任意のタイミングで実施していました。
しかし今後は監督官の指示のもと、受験生が一斉に同じタイミングでかばんに仕舞わなければならなくなります。
スマートフォン等の取扱いの見直し
スマートフォンなど電子機器類の取扱いについて、現状では試験当日各受験者の机上に貼付している「受験番号票」※1の記載により受験者に各自で対応させているが、監督者の指示で一斉に机上に出させて、電源を切らせてかばん等にしまわせることとする。
「【大学入試センター】大学入学共通テストにおける電子機器類を使用した不正行為の防止策について」より一部抜粋
具体的には機器を机の上に出す→電源を切る→かばんに入れる
という流れです。
スマートフォン以外には携帯電話、音楽プレーヤーも該当します。
1月の流出騒動においてはイヤホンを使用されていたことが後に判明しました。
そのため、スマートフォン以外であっても機械機器であれば徹底的に禁止、しまっておくことが求められます。
当然ですがこの監督官が指示する間の時間は試験時間に含まれません。
不正行為の注意喚起を明示化
続いては不正行為に関する注意事項や発覚した際の対応について明示化することです。
こちらは受験生が何かする必要はなく、運営側での対応となります。
不正が発覚した際には警察に被害届を提出するなど、具体的な措置を周知します。
注意喚起の案内や掲示、口頭での周知がより徹底される、ということですね。
これによって不正を行おうとする受験生への抑止に繋がります。
電波遮断は断念
以前の記事にて今後の対応措置について筆者は3案を予想していました。
- スマートフォンの回収
- 会場へのスマートフォンの持ち込み禁止
- 会場への電波遮断機の設置
①についてはやや強引すぎるため実現不可能であることは予想していました。
しかし②については上記「監督官の指示でかばんに仕舞う」が代替案ではないでしょうか。
そして期待していた③については今回議論はされたものの技術的に実現現状では不可という結論となりました。
スマートフォンを外部と通信させないように電波を遮断する、ことは不正防止に非常に有効です。
一方でこうした専門の機器を設置する場合には免許が必要など、設置の難易度はかなり高いものとなっています。
今後も検討するということで将来的には実現するかもしれませんね。
まとめ
当初予想していた対応案についてわずかながら当たっていたとも言ってよいのではないでしょうか。
しかしこれが実際に不正防止に有効であるかどうかは次回の試験をむかえなければわかりません。
さすがに2022年にこのようなだいそれた事件が発生しては次年度の不正行為はなりを潜めるのではないでしょうか。
とはいいつつも例年不正行為が発覚することは珍しくありません。
運営側と受験生のイタチごっこはいつまで続くのでしょうか。
- 監督官の指示で機器をしまう
- 不正行為注意喚起をより強化
- 電波遮断の実現は現状困難