2022年1月18日、東京都下水道局がtwitterに投稿した一枚の絵が話題となりました。
「トイレがつまった際、インターネットで業者を調べてないで」という内容です。
絵柄のインパクトに目がいきがちですが、今回はこの注意喚起について解説します。
なぜインターネットで修理業者を呼んではいけないのでしょうか。
そこには悪徳業者が仕掛ける罠があったのです。
トイレのトラブルとなった際、まず何をすればよいのか。
事前に知っていれば慌てることはありません。
今回は東京都内限定した対応方法をまとめました。
仮に今この瞬間にトラブルにあった方でもまずはこの記事を確認してから行動することをおススメします。
自分でできる簡単な対応方法も合わせて紹介します。
是非最後までみてください。
なぜインターネットで業者を呼んではいけないのか
突然のトイレトラブル。
あたなならまずどのように行動しますか?
水漏れ。
水が流れない。
紙詰まり。
その多くは水にまつわるものです。
滅多に遭遇しないトラブルなだけでに多くの人は慌てふてめくでしょう。
そしてその第一歩は「インターネットによる業者の検索」ではないでしょうか。
これがさらなるトラブルを招くことになるのです。
今回東京都下水道局は高額請求を行う悪徳業者への注意喚起です。
「自らインターネットで調べた業者を呼び、トイレを修理してもらったら高額請求だった」というトラブルが昨今相次いで発生しています。
国民生活センターの調査によるとトレイ修理に関する相談は年々増加傾向にあります。
東京の2020年における件数は前年の約3倍ほどにものぼります。
その多くが料金をめぐるトラブルのようです。
なぜこのようなトラブルが増えているのでしょうか。
それはスマートフォンによって簡単に自らが業者を呼べる環境になったからだと筆者は考えています。
水道業者といえば
「トイレのトラブル〇〇円」といったCMや郵便ポストに貼っているシール式のチラシなどをイメージするかもしれません。
そこには「修理500円から」などと少額で対応するうたい文句が記載されています。
これにより業者を呼んだことがない人であっても請求額についてはさほど高額ではないものだと刷り込まされているのではないでしょうか。
そしてろくに料金を調べないまま、インターネットの検索で上位に表示された業者へ問い合わせるのです。
この”上位”の検索結果、というのがさらなる勘違いに拍車をかけています。
「上位に表示されているのであれば大手の業者、信頼できる業者だろう」と信じてしまいがちです。
しかし残念ながらこれは軽率だといわざるえません。
インターネットを使った恐るべき罠、それはどうのようなものでしょうか。
検索結果上位=大手、信頼できるとは限りません
インターネットの検索結果はどのようなルールで表示されるのでしょうか。
通常の検索結果は”SEO”によって表示される順位(画面上からの順番)が決定されます。
”SEO”とは簡単にいってしまえば検索上位を目的にWebサイト作成する施策です。
GoogleやYahoo!といった検索エンジンは閲覧するユーザが効率的に目的のサイトへアクセスできるよう検索結果を表示させる必要があります。
その基準にはWebサイトの本文によく検索されるキーワードが記載されていること、別サイトへのリンクが多く張られているなどです。
これらは突き詰めると”閲覧者が求める質の高い情報が得られる”条件が揃っていることとなります。
ウェブサイトの運営側としてはSEOをしっかり行い少しでも上位に検索結果に表示させることで閲覧者を増やす努力が求められます。
「それなら上位にあがる業者は信頼できるのでは?」と思われることでしょう。
しかしこれには大きな抜け道があるのです。
「リスティング広告」をご存じでしょうか。
このワードだけはピンとこない人が多いでしょう。
しかし一度は誰でも目にしているはずです。
「リスティング広告(または検索広告)」とは広告代理店(GoogleやYahoo!)へ業者が広告代を支払うことで検索結果の上位に該当のWebサイトが表示されることです。
これはSEO対策されたWebサイトよりも上位の結果として表示されます。
下記の画像を見ていただければ一目瞭然です。
リスティング広告の場合、URLの左部に「広告」と記載されているのがわかります。
これが見分けるポイントですね。
しっかりとよくみれば他にも通常の検索結果とは異なることが分かります。
しかしトラブルが発生した際、こうした点を見逃し、つい最上部に表示されたWebサイトを開いてしまうことがあります。
結果、SEO対策がしっかりされていない業者のサイト=閲覧者によって有益な情報でないサイトに繋がってしまうのです。
例えばWebサイト上では安値が表示されているものの、修理後には何かと理由をつけて追加料金を上乗せする悪徳業者、などです。
もちろんリスティング広告であったとしても有益なサイトも当然あります。
一方で閲覧者にとって悪意あるサイトが存在しているのも事実でしょう。
こうした業者は広告代を支払い、釣れた客に対して広告代以上の高額費用を請求するのです。
こうした事態にならないためにもまずは一度落ち着き、しっかりとそのWebサイトの情報の真偽を確かめましょう。
まずは「総合設備メンテナンスセンター」へ
ではどのようにして安心できる修理業者を選べばよいのか。
東京都下水道局が呼びかけている「総合設備メンテナンスセンター」へ問い合わせしましょう。
正式名称「東京都管工事工業協同組合 総合設備メンテナンスセンター」となります。
東京都管工事工業協同組合は東京都内で給水・排水・空調関係の管工事業を営む個人事業主や中小企業で結成された組合法人です。
東京都からの組合許可ををもらっており水道局はもちろん大小とわず民間企業が加入しています。
その組合の業務の一環として「総合設備メンテナンスセンター」が存在します。
主な業務は東京都内を対象とし「宅地内の給水・排水設備の有料修繕の受付等」となります。
まさに今回のようなトラブルにうってつけといえるでしょう。
こちらでは24時間いつでも電話を受け付けています。
まずはここに電話することで組合が認める適切な業者を選定し、工事の手配をしてもらえます。
最寄りの業者を適切な価格で選定してもらえるため迅速かつ正規の修理代で対応できるため安心できますね。
またはもう一つの手段として、直接最寄りの業者に連絡する方法もあります。
こちらは東京都下水道局のHPに記載されています。
東京都の協力店のためこちらも安心して頼むことができます。
業者の所在地が近所にあるならば「総合設備メンテナンスセンター」を介さず直接連絡するほうが手間がかからない場合がありますね。
いずれにしても素性のしれないインターネットで調べた業者より圧倒的に信頼できる業者を呼ぶことができるのは間違いありません。
「総合設備メンテナンスセンター」という存在を覚えておくだけでもいざとなった際、慌てず行動できることでしょう!
余裕があるならまずは自分の力で対応しよう
ここからは業者を呼ばずに自力で解決した場合の対処法を紹介します。
今回紹介するのはトラブルの多い、トイレ詰まりへの対処法です。
用意するのは「ラバーカップ」のみです。
「ラバーカップ」とは”すっぽん”などといわれているあれです。
しかしこちらを自宅に常備されている家庭は少ないのではないのでしょうか。
小学校など公共の施設の用具入れでは見かけますが家だとなかなかありませんよね。
安いものだと500円ほどで購入できるため、常備しておくことをおススメします。
「それがないから今困っているんだよ!」というかたには代用品があります。
それは空の500mlペットボトルです。
底の部分をあらかじめカットしておけば準備は完了です。
あとはゴム手袋があればベターです。
以下、対応手順となります。
- 水道の元栓を止める
- (水が多ければ)便器内の水を取り除く(排水口の穴がつかる程度)
- ペットボトルのキャップを外す
- ペットボトルの口を指でふさぎ(ゴム手袋を装着した状態で)、底部分を排水口にいれる
- ペットボトルを前後に動かし、これを繰り返す
- 水位が変化するなど水が流れていることを確認する
- ペットボトルを回収し、トレイに水を追加する
- 流れていることを確認する
いかがでしょうか。
これなら誰でもできるでしょう。
具体的なやり方がイメージできない場合、それこそインターネット検索しましょう!
YouTubeなどでは分かりやすく実践解説されています。
これを知っているだけでもいざという時になんとかなるのではないでしょうか。
まとめ
安易にインターネット検索してはいけない理由がわかったのではないでしょうか。
もちろん検索すること自体あくではありません。
重要なのは信頼できる業者を見つけることができるかどうかです。
それができないようであれば東京都下水道局やンテナンスセンターような行政機関経由で連絡しましょう。
また、軽微なトラブルであれば自身で対応するのも手です。
何より重要なことはトラブルにあった場合でも冷静に行動することを心がけてください。
- インターネットの検索上位サイトでも安易に信頼しない
- 行政機関経由で業者に依頼する
- 自身での対処方法も検討する
- 何より冷静な気持ちで行動する